僕と高島は、この間、台湾にある弊社のオフィスでフリーマーケットを開催したのですが、そのフリマに僕と高島も出品して。このときのアプローチが、僕や高島の台湾でのアプローチをすごく表していると思うので、紹介します。フリマの出店は20から30ブースで、出店者は雑誌の編集長やアパレルブランドのオーナーだったり、デザイナーやモデルです。お客さんは一般の台湾人で、1日だけで800人から900人くらいが来場されてすごく盛り上がったんですが、僕と高島のブースがいちばん売れていたんです。僕のブースのテーマは「メイドインジャパン」、「ハンドメイド」、「オンリーワン」、「台湾初上陸」、「ワークショップ」、「フォトジェニック」、「インスタジェニック」です。今まで僕が携わってきた台湾でのビジネスの成功事例をすべてフリマのブースに集約したら、ものすごく売れました(笑)。
高島は、骨董のブースをやったんですが、実はこの骨董のブースは、別にメイドインジャパンでも何でもなくて、朝までほかの台北市郊外の骨董市で売っていた商品を単純に並び変えただけなんです。そして、値段を1.5倍とかにして売ったら、これも即完で売れたんですね。メイドインジャパンでも全然ないんです。なぜかというと、見せ方を変えたんです。台湾人がどこでも買えるものを、ただ並び変えて、組み合わせを変えて見せるだけでもとても売れるんです。日本の企業や自治体からの問い合わせの多くは、ジェイの台湾人目線で、みたいな事が多いのですが、実はそういう組み合わせを変えただけとか見せ方を変えただけで、台湾人に響いたり響かなかったりするというのも、どこか頭に入れておくと、今後のインバウンドとかクールジャパンのヒントになるんじゃないかと思います。
去年もこのセミナーに来たことある方いらっしゃいますか?あ、ほぼいない。リピート率が少ない。去年のセミナーの最後の質疑応答が印象的で心に残っています。それは、「なぜ台湾人は、日本に来るんですか」というすごくシンプルな質問があったんです。その質問をされた方は、広告代理店の方で、様々なリサーチをして様々なデータを見ている。だけど、台湾人は親日家で、日本食が大好きで、日本のファッションとかショッピングが大好きで、みたいなデータはあるけど、本当になぜ来てるのか分からないというような質問だったんです。その時にジェイが答えたのが、僕には印象的でした。ジェイがすごく考えた上で、「なんとなく」って言ったんですね。たぶん「なんとなく」がすごい正解だなって思って、日本で僕らがインバウンドを考えていく上で、なんとなく台湾人が来てるんだなって思うと、台湾人のインバウンドが上手く捉えられるような気がします。僕らは、インバウンドのコンサルティング会社でもなければ、インバウンドの広告代理店でもなく、普通に台湾で事業をやっている会社です。ですので、今日は「なんとなく台湾人が日本に来てるな」っていうのを話していき、皆さんにもそういう風に思っていただければ、僕らは嬉しいなと思います。