―この本は、家庭、いじめ、闘病、適職に悩んでいる人など14の困難な渦中にいる人を対象とした章立てになっていますね。この「14の花束」はどのような基準で選ばれたのでしょうか?
私がこれまでの人生でぶつかった課題や答えが見つけられなかった疑問、出会った児童養護施設の子どもたちや職員さんからもらった言葉、良いこともつらいことも苦しいことも含めて、それらの経験が14項目の花束になりました。
養母が付けてくれた私の名前「サヘル・ローズ」の中には、バラが入っています。花はどれもかけがえのないもので、美しかったり、形が変わっていたり、さまざまです。
そして人にもそれぞれに個性があります。でも、今の日本の社会ではなかなかその個性は認められにくくて、個性があってはいけないのかと思ってしまうこともあります。
しかし、花だって、トゲトゲしい花もあれば、柔らかな花や小ぶりな花など、いろんな個性があります。『言葉の花束』は、みんなが持っている個性をそれぞれの花に例えて、それらを1つの花束=ブーケにしました。それぞれの花束はこんなにもきれいで、お互いを認め合うことはこんなにも大切なんだという気持ちを込めて書いたんです。