パブリックキャット 第37回

家庭用品店の看板猫:カノン(4歳)千葉、松戸の山田屋の家庭用品にて

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テキスト:Shiori Kotaki、写真:Kisa Toyoshima

松戸駅から徒歩5分のところにある山田屋の家庭用品は、昭和レトロを感じさせるアイテムから、スタイリッシュな商品まで、ありとあらゆる日用雑貨を扱うハイセンスな店だ。都内から松戸まで行くとなると、1時間ほどかかってしまうが、ここには、時間をかけてでも松戸まで足を運びたくなる理由が2つある。もちろん1つは、どの商品もセンス抜群であること。そしてもう1つは、ふわふわの毛をした看板猫のカノンがいることだ。

名前:カノン(♀)
チャームポイント:独特な模様(頭の部分は、カツラを被っているみたいだとよく言われる)
性格:おとなしい性格で、何をされても無抵抗。しかし、売られた喧嘩には受けて立つアグレッシブな一面もある

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カノンは、店と、店の隣にある倉庫の間で生まれていたところを店主に保護され、この店にやってきた。父猫と母猫を知る店主によると、彼らは美男美女だそうで、その血を受け継ぐカノンも綺麗な顔立ちだ。

店主いわく「カノンはしなやかで、したたかなの」とのこと

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店の奥から連れてきてもらったカノンを見てまず驚いたのが、その無抵抗さだ。抱っこされることさえ嫌がる猫も多いのに、カノンは抱っこされることはおろか、ゆすられても、持ち上げられても、踊らされても、何をされても無抵抗。まるで、ぬいぐるみのようだ。入浴の際も、引っ掻(か)いたりすることはないという。

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しかし、おとなしいからといって、のんびりしているかと思いきや、それは大違いだ。フロアに降ろしてもらい、いざカメラを向けると、ものすごい早さで店中を走り回るではないか。ふわふわの見た目からはイメージできないほど、とにかくすばしっこい。

走っては棚の下に姿を潜め、また別の棚まで走っては、その下に身を潜める。カメラマンも、すっかりカノンに翻弄(ほんろう)されていた

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もうひとつ、このふわふわした姿からは想像のできないことがある。なんとカノンは、他の猫とよくケンカをするのだという。こんな可愛い顔をしていては、相手も油断してしまうことだろう。人は見た目で判断できない、なんてよく聞くが、猫も見た目で判断してはいけない。

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カノンがこの世で愛してやまないのは、鳥のおもちゃと煮干し。取材した日も、鳥のおもちゃで無邪気に遊んでいた。実は、この鳥のおもちゃは、他の猫用に買ったものなのだが、その猫が全く使わず、カノンの元にお下がりでやってきたのだそう。一度は遊んでもらえなかったものの、今ではこんなに夢中になって遊んでもらえている。この鳥も、カノンのお陰で報われた。

鳥に夢中なカノン

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うまく鳥を捕まえられず、ヘソを曲げるカノン。負けず嫌いで、ちょっとワガママなこの感じ、愛さずにはいられない

生まれて間もない頃から店に立っていたカノンは、もちろん、看板猫としての仕事もしっかりこなしている。ときには、店の入口にちょこんと座り客を待っていることもあるそうで、看板猫の鏡のようだ。この日、買い物客としてやってきていた老夫婦のことも、見事にメロメロにしていた。愛くるしいカノンと、魅力的な家庭用品に出会うべく、ぜひ山田屋に足を運んでみてほしい。

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名前:カノン(♀)
勤務先:山田屋の家庭用品
看板猫になるまでの経緯:店と、店の隣にある倉庫の間で生まれていたところを店主に保護されたことをきかっけに。生後間もない頃から、店に立つようになった。

—ある1日のスケジュール—

10時30分 店のオープンとともに出勤

18時30分 店が閉まるとともに奥の部屋に帰っていく。時々、閉店後に店に現れ、窓際に座って外を見ていることも(通りすがりの人に置物だと勘違いされてこともある)。

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山田屋の家庭用品
山田屋の家庭用品

松戸駅から徒歩5分の家庭用品店。キッチンツールをはじめ、器やポット、鍋、箒、カゴなど、センス抜群の日用雑貨を扱っている。山田屋としては、約200年の歴史を持っており、もともとは寺子屋としてスタートしたのだそう。寺子屋の後は、米や油、荒物などを扱う店として営業し、今の家庭用品店という形になっていった。昭和レトロを感じさせるものから、スタイリッシュなものまで、ここにある商品は、長く大切に使い続けたいと思わせるものばかり。魅力的なアイテムと、看板猫のカノンに出会うべく、ぜひ足を運んでみてほしい。

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