森下駅と菊川駅の間に位置する個人経営のカフェ、ますや。約2年半前に自宅の居間を改装してオープンしたという同カフェは、1人の女性によって丁寧に営まれている。決して広いとは言えないが、8席ほど席が設けられている店内は落ち着いた雰囲気で、まるで友人の家に遊びに来たかのような居心地の良さ。ついつい長居してしまう空間だ。靴を脱いで上がるタイプの同カフェには床暖房も備えられており、この足の裏からじんわりと温めてくれる優しさに感激しながら席に着くと、先に来店していた客をもてなしている1匹の猫を発見。そしてテーブルには、猫のイラストとともに「面会希望の方お申し付け下さい。中の居間にて昼寝中です。会いに来てくれてありがとう」と書かれたメモ書きが。もう理解した人も多いと思うが、ここは女性店主とともに愛らしい2匹の猫が接客してくれる夢のようなカフェなのだ。
ますやで日々仕事に励むのは、蓮華草から名付けられたれんげと、ラナンギュラスから名付けられたラナ。どちらも店を営む店主の娘さんがブリーダーから迎え入れたそうだ。また、2匹とも花の名前から名が付けられているのは、その娘さんが大の花好きであることから。
カメラを向けると凛としたおすまし顔。このカメラ慣れは、女優、アイドル顔負けである
勤務中にもかかわらず、床暖房の心地よさに負けてうとうと。このマイペース具合がまた愛らしい
次に登場したのは、自由人改め自由猫、ラナだ。5歳になるラナは、東日本大震災の1週間前にやってきた。小さな小さなラナを逃さないよう、揺れが収まるまで店主にしっかりと抱えられ守られていたラナも、今では立派な尻尾を持つイケメン猫に成長した。
まるでライオンのようなラナの猫種はソマリ。太く長い尻尾が印象的である
1ヶ月半前に行った予防注射で、これ以上太ってはいけないと注意をされてしまったラナは、ここ最近ダイエットに励んでいた。日々の努力が報われダイエットは無事成功。常連客から「ちょっと痩せたんじゃない?」という嬉しい言葉ももらっていた。店主にべったりのれんげに比べて、ラナは自由気ままに家中を歩き回っているタイプ。この日も、出勤する直前まで店主のベッドの上という絶好の場所で昼寝をしていた。
半年しか歳の変わらない2匹の仲は良い。しかし、時々れんげがラナに猫パンチを仕掛けてケンカをすることもあるそうだ。こんな可愛らしい顔をして、なんの前触れもなく猫パンチをお見舞いするとは……。れんげ、なかなかのドSっぷりである。
たまにはケンカをしながらも、れんげとラナは日々2匹でしっかりとカフェを盛り上げている。2匹に会いに来る客も多く、食後には床で2匹と戯れているという光景もしばしあるそうだ。気さくな店主に優しい料理、そして愛らしい2匹の猫と、まさに癒しの空間である。
空き箱があればすぐに入ってしまうという大の箱好き
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