こども本の森 中之島
Photo: Shunsuke Ito
Photo: Shunsuke Ito

大阪、家族で行きたいスポット14選

大阪を再発見するアクティビティやキッズフレンドリーなスポットなど

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大阪の人気観光スポットといえば、真っ先に「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」を思い浮かべる人が多いだろう。新しいアトラクションがどんどん誕生しているUSJももちろん魅力的だが、決してそれだけではないのが大阪である。

「水都大阪」ともいわれるこの地域ならではの川を使ったアクティビティや、ノスタルジックな商店街の散策、通天閣を滑り落ちるスライダーなど、ここでしか体験できない数々の出合いが待っているのだ。

ここでは、大阪を再発見できるアクティビティスポットはもちろんのこと、コンサートデビューにもうってつけのホールや、絵本や児童文学好きにはたまらない物語に没頭できる隠れ家など、子どもと一緒に訪れたいスポットを中心にヴェニューをピックアップした。

もちろん、大人であってもこれらの場所を訪れればきっと新たな視点を養えるはず。大阪観光の参考にしてもらえたらうれしい。

  • Things to do

2020年、京阪中之島線なにわ橋駅すぐの中之島公園内にオープンした文化施設。世界的に有名な建築家、安藤忠雄が市に寄贈したもので、設計も安藤が手がけた。絵本や児童文学などを中心に2万冊を超える書籍を収蔵している。

名誉館長を務めるのは、ノーベル賞を受賞した医学博士の山中伸弥。山中をはじめとする著名な研究者や芸術家が子どもの頃に読んでいた本などを紹介する「あの人の本棚」と名付けられた企画展示コーナーのほか、「自然とあそぼう」「大阪→日本→世界」などの独自のテーマで選書された書棚が並ぶ。蔵書の貸し出しは行っていないが、館内だけでなく中之島公園内であれば外に本を持ち出すことができ、川と緑に囲まれた気持ちの良いロケーションでも読書が楽しめる。

3フロア構造の館内は、吹き抜けの天井まで壁一面に書架がそびえ、細い渡り廊下や大階段などが設けられたドラマチックな空間に仕上がっている。一方、階段下をはじめ書棚の隙間など、随所に親密感のある小空間が用意されており、子どもたちにとっては物語に没頭するのにうってつけの隠れ家となるだろう。

1階にある天井から一筋の光が差し込む円筒状の空間は、実に安藤建築らしい。湾曲した壁をスクリーンにして、Rhizomatiks Designによる映像が映し出され、子どもたちを物語世界へと誘っている。

  • Things to do

国立大学が指定管理者として運営する市立図書館。箕面市の蔵書約11万冊に加え、大阪大学の蔵書約60万冊を所蔵している。図書館機能があるのは建物の1〜4階。5〜6階には箕面市立船場生涯学習センターが入居する。

注目は2階の「にぎやかエリア」。箕面市の蔵書がある同フロアは「にぎやかエリア」と「一般エリア」に分かれており、子どもがのびのびと過ごせる空間作りがされているのだ。絵本や紙芝居、育児本などが置かれている「にぎやかエリア」は吹き抜けで明るい雰囲気が感じられるほか、キッズスペースや授乳スペースが設けられているのもうれしい。

3~4階には大阪大学の蔵書があり、外国語学部で学ぶ25の専攻語で書かれた図書も並ぶ。こちらも含め、「箕面市立船場図書館」に所蔵されている全ての本は一般の人も読むことができるとのこと。疲れたら2階のカフェで一息つきながら、ぜひいろいろな世界に触れてみよう。

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  • Things to do

そこへ行けば誰かに会える、かつての「空き地」のような場所をコンセプトにした、⽔辺の実験基地「β本町橋」。大阪市内に現存する最古の橋である本町橋のたもとで、SUPやクルーズなどの水上アクティビティ、曜日替わりのランチやこだわりのドリンクなどが楽しめる。

東横堀川沿いに細長く広がる水辺の公園に位置し、阪神高速で覆われたダイナミックな空間は雨の日でもアクティビティが体験できるのがうれしい。休日を中心に多様なイベントが開催されたり、ふらりと立ち寄った人が世代を問わず遊べるボードゲームなどの貸し出しも行っている。「βキオスク」ではコーヒーや街とつながりのあるスイーツ、⼤阪の新鮮野菜などを販売。街と川の案内所としての役割も果たす。開放的なレンタルスペースは会議やセミナー、イベント開催などに利⽤可能だ。

多彩なツールを持ち合わせたオープンマインドで実験精神あふれる施設は、人それぞれの使い方ができる。あなただけの可能性を見つけよう。

  • アトラクション

2022年5月、大阪の観光名所「通天閣」に誕生したアトラクション。透明なチューブ状の滑走路が塔を取り巻くように巡らされており、地上22メートルの中間展望台から外周を1回転半し、地下1階まで滑り落ちるという全長60メートルの体感系滑り台だ。

受付を済ませて荷物を預けたら、エレベーターで中間展望台へ。カメラに向かって手を振ったら約10秒間の小宇宙旅行がスタートする。体感としては10秒よりも短く、一瞬で終わってしまうので、しっかりと記憶に残したいのであれば、集中力を高めてから滑り出すのがおすすめだ。

滑り終えた後には、スタート直前とゴール時の瞬間が収められた動画が無料でダウンロードでき、ちょっとシュールな大阪土産が手に入る。小学生から体験できるが、身長120センチメートル以上であることが条件の一つとしてアナウンスされている。

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  • Things to do

大阪城からほど近い「水上バスのりば 大阪城港」からは、大阪の中心街を流れる大川を約40分間周遊する「アクアライナー」や、大阪城と道頓堀を結ぶ移動手段としても利用できる「アクアmini」が運航。名所や旧跡はもちろん、橋の裏側を間近に見られるなど、水辺ならではの景色が楽しめる。

「アクアライナー」は冷暖房とトイレが完備。ガラス張りの天井は開放感があり、天候を問わず快適に過ごせる。川面から眺める風景は、一味違う観光だけでなく、大阪在住者にも「水都」としての新たな魅力が感じられるだろう。

  • Things to do

小さな1坪半の店から始まり、世界屈指の造形集団となった「海洋堂」。その創業者である宮脇修の夢の結晶ともいえるテーマパークが「海洋堂ホビーランド」だ。

館内は全部で13のエリアに分かれており、海洋堂の作品をはじめ、プラモデルやミニチュアのコレクションなど1万点以上を展示。運が良ければ海洋堂の造形師・塗装師の実演を見ることもできる。

映画「グレムリン」「ザ・フライ」などの特殊メイクを担当したクリス・ウェイラスと共催した、世界で最初の動く実物大恐竜展「ディノアライブ」の実物大ティラノサウルスとトリケラトプスのレプリカヘッドは圧巻だ。「ものづくり」への情熱は、世代を問わず感じるものがあるだろう。

入場にはチケットが必要。当日券は上限を超えると販売しないため、前売り券をあらかじめ購入しておこう。

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  • Things to do

江戸時代から淀川を運行する船の中継港としてにぎわっていた枚方。淀川舟運の再生が求められるようになった現在は、「八軒家浜船着場」と「枚方船着場」間で上りと下りの運航を行っている。

見どころは航路の途中にある「毛馬閘門(けまこうもん)」だ。パナマ運河の閘門と同じ仕掛けで、大川(旧淀川)と淀川本川との境で水位差の調整を行い、通過するダイナミックな体験が楽しめる。

  • Things to do

17世紀初頭から全国的に街道整備や宿駅設置を進め、東海道の延長として京都の伏見と淀、大阪の枚方と守口に宿場を設けた徳川幕府。江戸時代、問屋場や本陣のほか、旅籠や商家など多くの町家が軒を連ねた「枚方宿」は、東海道品川宿から数えると56番目にあたる宿場町としてにぎわっていた。

現在は当時のような街並みを見ることはできないが、一部、町家を活用した施設やレストランなども残っている。例えば、枚方宿の代表的な船待ちの宿であった「鍵屋」の建物を活用し、枚方宿の歴史を紹介する唯一の展示施設が「市立枚方宿鍵屋資料館」。19世紀初頭の町家建築の遺構である「主屋」は枚方市の指定有形文化財に指定されており、訪れればかつての面影を感じることができるだろう。

毎月第2日曜日には「枚方宿くらわんか五六市」も開催。枚方宿の歴史街道(枚方市駅から枚方公園駅の間)に雑貨やパン、焼き菓子など約200のブースが並ぶので、このタイミングを狙って訪れるのもおすすめだ。

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  • Things to do

大阪弁で「まっちゃまち」と親しみを込めて発音される人形の街・松屋町。江戸時代の「大坂夏の陣」の後、このエリアには瓦需要の高まりを受けて多くの瓦職人が集まった。彼らがその瓦造技術を生かし、素焼き人形を作り始めたのが、松屋町が「人形の町」と呼ばれる由来である。

松屋町筋とは、松屋町を南は難波、北は中之島まで走る、南行き一方通行道路のことだ。特に松屋町駅周辺の松屋町筋商店街には人形のほか、玩具や駄菓子などさまざまな商品の問屋や専門店が並び、卸はもちろん小売りにも対応している。

3月のひな祭りや5月の端午の節句の時期には日本人形が並べられ、にぎわいを見せる。夏は花火やヨーヨーなど子どもが喜ぶアイテムで埋め尽くされ、地元の人たちや、夏祭りの準備をする関西各地からの自治会関係者でごった返すのだそう。近年では、海外から人形などを求める観光客の姿もちらほら見られるという。

  • アート

「蔦屋書店」を中核とし、食品、ファッション、雑貨、美容、銀行などが集まる生活提案型商業施設「枚方ティーサイト(T-SITE)」。代官山と湘南に続く3カ所目で、関西では初出店だ。枚方市という蔦屋書店の第1号店が創業した縁深い土地に、地上8階、地下1階の開放感ある洗練された空間が広がる。

フォトスポットして大人気の、4階の吹き抜けに設置された7メートルの本棚は圧巻。本好きなら一度は夢見るような光景だろう。また、8階のレストランは全てテラス席を設けており、街を眺めながら食事が楽しめる。

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  • ミュージカル

西日本エリアにおける「劇団四季」の専用劇場。梅田の商業施設「ハービスプラザエント(PLAZA ENT)」7階に併設されており、大阪駅へのアクセスも良好だ。関西国際空港へと続くバス停「ハービス大阪」からもほど近いところにあるため、大阪旅行の前後に舞台を楽しむのもいいだろう。

シートクッションの貸し出しをはじめ、便利なサービスが揃うのもうれしいポイント。非日常の空間で天候に左右されず、ゆっくりと観劇を楽しんでみては。

  • 音楽
  • 音楽会場

本館と別館の2館からなる「枚方市総合文化芸術センター」。本館は、3階席まである全1468席の高機能ホール「関西医大 大ホール」や、325席の「関西医大 小ホール」、大型絵画も展示できる「ひらしん美術ギャラリー」などの文化施設が揃う。

クラシックのコンサートや落語、映画の上映会、美術の展示など幅広く開催。枚方市の文化活動拠点となっている。

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  • 音楽
  • 音楽会場

1982年5月15日にオープンした、大阪城公園内にある野外音楽堂。収容人数は3002人で、1945席の椅子席と芝生席1057席を設置。航空・海上・陸上自衛隊音楽隊やOsaka Shion Wind Orchestraなどが出演する「たそがれコンサート」が毎年夏に開催されるほか、ロックバンドのライブなど幅広いイベントを行う。

駅から徒歩5分とアクセスの良さも特徴だ。開放感あふれる野外で、記憶に残る音楽体験をしよう。

  • Things to do

「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を有する大阪市此花区に残る街の銭湯が「千鳥温泉」だ。入り口ののれんにある特徴的な「ゆ」は、装丁家としても有名なデザイナーである平野甲賀の文字。インパクトが強く、それだけでも思わずのれんを潜ってしまいそうになる。

中へ入ると、フロント式のロビーが広がる。銭湯で定番の飲料のほかに、Tシャツなどのオリジナルグッズが並ぶ。そして、よく見ると奥に駐輪スペースが。なんとこの銭湯、大事な自転車が盗難に遭わないように、預かってくれるサービスを行っているのだ。

店主いわく「自転車で旅に行くと、自転車を店の前に長い時間置いておくことになるので、それが不安で」と、安心して風呂を楽しんでもらうために始めたのだとか。そのためこの銭湯は、別名「自転車湯」とも呼ばれている。

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