(公社)整体協会の初代会長であり、「野口整体」の創始者として知られる故・野口晴哉が、自宅に設けたリスニング専用室。野口の没後、膨大なアナログ音楽機材を保存・継承するために設立された全生新舎が、「野口晴哉記念音楽室」として一般公開し、定期的に予約制の音楽会を開き、ビンテージオーディオを用いた贅沢なリスニング体験を提供している。
音楽を聴くためだけに設計された土蔵造りの空間は、天井が高く、コンサートホールのような響きを持つ。約55畳の室内には、数十年をかけて集められた家具や、幻の名器とされるオーディオ機器、レコード棚が並び、独特の趣を醸し出している。
生前、野口はこの部屋を「聖域」とし、特別な人しか招き入れなかった。仕事を終えた深夜、一人静かに音楽と向き合う時間を何より大切にしていたという。音楽を通じて自分と向き合う――そんな贅沢なひとときを、ここで味わってみては。