ポストコロナ時代のインバウンド、2022年の再開を目指す
第1部では、新型コロナウイルスのまん延によって大きなダメージを受けた観光市場がこれからどのような形で回復できるのか、その際にデジタル技術はどのような役割を担うのかについて、登壇者のトークが繰り広げられた。
新型コロナによる、人々の移動が制限された2020年。訪日外国人観光客数は激減し、夏に予定していた『東京オリンピック・パラリンピック』が延期になるなど、観光業が大きな痛手を被った年だった。
その中で観光庁が発表したのは、国民の国内移動を促し経済を積極的に回していく施策「Go To キャンペーン」。当時観光庁長官としてキャンペーンをけん引した、三井住友銀行顧問で玉川大学 観光学部 客員教授の田端浩は、プロジェクトに取り組んだ背景と、今後のインバウンド再開のめどについて語った。
「もともと『GoTo』は、日本人が旅し、地域での消費を促すことで地域経済を回していくために設けられた施策でした。しかしその裏側には、来たるべきインバウンドの再開を見据えた準備、という目的もあります。全世界の観光業がストップしているウィズコロナの時代は、より各地域の観光コンテンツを磨き上げるチャンスだとも思っています。 観光庁では世界観光機関(UNWTO)や国際航空運送協会(IATA)などの機関にヒアリングを重ねているのですが、彼らの見立てでは2022年からインバウンドが再開できるのでは、という意見が比較的多いです。アフターコロナに向け、医療機関や飲食、イベント関係者など多くの人と協力し、観光コンテンツを磨き備えることこそ、今我々がやるべきことだと思っています」(田端)