「糸島サイエンス・ヴィレッジ: SVI」を核とした生成AIと地域の未来づくり
平野友康(以降平野):糸島市では、「地方創生のロールモデルを作る」という目標を掲げ、生成AIを活用した街づくりの取り組みを行っています。大都市に近接した自然豊かな地域があり、リモートワークの活用が可能で、生活圏人口10万人ぐらいの経済圏であるといった魅力が糸島市にはありました。
さらに、イギリスの情報誌・モノクルが実施した「小さな輝く街ランキング」で、世界第3位の「住みたい街」に輝いた実績もあります。漁港だけで12あり、海・山・さまざまな自然が豊かで、一次産業が栄えている街です。一方で、官民パートナーシップによる地域経営の実現、地域を支える人材の育成といった地域課題も抱えていました。
そこで、「糸島まちづくりモデル」を作ろうと僕らは考えました。それは、地方創生の街づくりに関心を持ってビジネスチャンスを感じる企業や人材を集結させ、街づくりを研究・実装する街を作るということです。この「サイエンスビレッジ」は、九州大学の伊都キャンパス周辺にある10年ほど手つかずだった50ヘクタールほどの広大な土地からスタートしました。
大きな特徴は、「マイクロネイバーフッドユニット」という、5分ほどで歩ける直径200メートルほどの小さなご近所単位のユニットをつなげて街を作っていこうとしていることです。ご近所関係を大切にしつつも、生成AIなど最新テクノロジーが搭載されてる自動車道路を外に作り、中は徒歩圏にするといった前提条件を決めつつも、柔軟に変更できる街を作っていくことにしました。
この「柔軟に変更可能な街を作る」というのがとても大切なことであり、生成AIと大きく関係している部分です。