旧川口居留地跡にあるビクトリアン・ゴシック様式の教会。神戸などの居留地の影に隠れてあまり知られていないが、1868年から1899年までの間、大阪にも外国人居留地があった。居留地時代の建物は現存しないため、「川口基督教会」は当時の川口居留地の面影を今に伝えるほとんど唯一の建物なのだ。
1920年に建造された聖堂は、川口居留地のシンボル的存在になっている。第2次世界大戦中の大阪空襲や1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受けたが、その度に修復、復元。現在では大阪府指定有形文化財に指定されているほか、近代建築を活用する大阪市の取り組みである「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」にも選定されている。
基本的には信徒のための礼拝の場であるため、建物内部の見学を予約制で受け付けている。また、不定期でパイプオルガンのコンサートやバザーなどとともに、聖堂ガイドツアーが開催されている。機会が合えば、美しい教会建築を堪能してほしい。