古くから東京一のフジの名所といわれる「亀戸天神」の恒例イベント。4月の下旬ごろから、境内に植えられている約50株以上のフジが花開き、心字池に写る姿と淡い香りを愛でに多くの来場者でにぎわう。日没後はライトアップも行われ、かすかな波に揺れて池の水面に写る花房が醸し出す幽玄の世界も、粋な光景として親しまれている。
江戸時代の亀戸は湿地帯で、約350年前の神社創建当時に初代宮司が水を好むフジを社前に植えた。江戸の名所として5大将軍綱吉公、8代徳川吉綱らが訪れた記録や、廣重の錦絵などにも描かれている。
期間中は屋台が並び、にぎわいを見せるほか、「学業講祭」も開催。会期中は、猿まわし、茶会、巫女(みこ)舞などが行われる。見事なフジと併せて楽しみたい。