「声なき声」に耳を傾ける
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ーAAR Japanは海外の紛争地域などのほか、日本の被災地でもいち早く緊急支援活動に動かれています。1月1日の地震発生後、どのように支援を開始しましたか?
櫻井:AAR Japanは地震発生翌日の2日から緊急支援チームを石川県の被災地へ派遣しましたが、道路の寸断で拠点となる富山県高岡市にたどり着いたのは夜中でした。翌3日夕方には避難所へ到着、大至急で360食の豚丼を用意しました。近隣の避難所から食べにきてくれた人もいます。
以来、珠洲市の避難所などで炊き出しを続け、19日までに約1万3300食の温かい食事を届けました。
また、3日からは別のチームが七尾市の障がい者施設に飲料水や食料、清掃用具などを搬送。物資を届けた地区は、何度も揺れに見舞われて断水が続き、液状化現象が起きていました。施設の利用者29人は家にいて無事だったそうですが、家が倒壊して住めなくなった職員の方もいるそうです。
「通所が始まって外に出るとパニックになるかもしれない」と不安そうに話す利用者の保護者の方もいました。