老舗しょうゆメーカーが取り組むSDGs
そもそも、なぜ食品ロスは生まれるのか? SDGs「持続可能な開発のための17の目標」の12番目に「つくる責任 つかう責任」(持続可能な方法で生産し、消費する取り組みを進めていこう)とある。つまり食品ロスは、消費者と作り手の両方が生み出している問題だ。
今回は、作り手側である食品メーカーがサステナブルに取り組んでいる例を紹介する。兵庫県の南西部、たつの市にある日本丸天醤油株式会社(以下「丸天醤油」)だ。1795(寛永7年)創業の老舗企業で、しょうゆやポン酢、つゆなどを製造する。元々たつの市は薄口しょうゆの名産地で、同社は地元を代表する企業だ。関西から西のエリアでは高いシェアを占める。
同社が環境への取り組みを始めた時期は早い。2006年、「サステナブル」という言葉はおろか、製造業でのエコやリサイクル活動も多くなかった時期から、環境省の「エコアクション21(中小事業者向けの環境マネジメントシステムの認証・登録制度)」を取得し、環境を配慮した経営活動を行っている。
創業家の出身で、2015年から代表を務める延賀海輝(のぶか・みなき)に話を聞いた。