「センチュリーコート丸の内」は、「明治生命館」の地下階にある複合飲食施設だ。明治生命館は、日本初の生命保険会社として1881年に創業した明治生命の新社屋として1934年に建設された。設計は歌舞伎座や日本銀行小樽支店などを手がけた東京美術学校(現、東京芸術大学)教授の岡田信一郎。外観、内観ともに古代ギリシア・ローマを源とする古典主義様式でまとめられ、とりわけパルテノン神殿を思わせる巨大な列柱は優美そのもの。
1997年には国の重要文化財に指定された。昭和に建てられた建造物としては初めてのことだ。2005年にリニューアル工事が完了し、2008年には地下階にあったバーやレストランなどの社交場が、クラブレストラン「センチュリーコート丸の内」として新たによみがえった。創建当時の大理石の柱が残り、モダンクラシックなたたずまいが人気を呼んでいる。
フレンチ、和食、バー、パーティールームなど一般向け施設のほか会員専用施設も備えている。ランチ、ディナー、パーティーをはじめ多様に活用できるのも魅力だ。過去を今に伝える趣ある空間で、粋なひと時を過ごすのも悪くないだろう。