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世界目線で考える。法をアップデートする編

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タイムアウトレビュー

東京にもっとイノベーションを。ここ数年、各所で言われていることだが、イノベーションの起こりにくい要因のひとつとして、時代遅れの法が槍玉に挙げられることが多い。社会の新たな動きに先回りして法が定められることは少なく、引き起こされた変化に対して対応を迫られる形となるため、常に後手に回ってしまうのは致し方ない。とはいえ、対応に時間を要せば、せっかくのビジネス機会も失ってしまうことになりかねない。ビジネスは既存の領域の枠を越え、これまでとは異なる越境的な展開が進んでいる。イノベーションは今や国内に限られたものでなく、国境を越えたグローバル市場での競合となっている。

加速度を増しながら次々に巻き起こる、既存のルールでは対応困難な変化は、社会を揺らし、人々の生活にも多大な影響を与えていく。このような動きに法がいつまでも取り残されている状況ではイノベーションやビジネスはおろか、私たちの日々の生活も知らぬ間に法的グレーゾーンに覆われることになりかねない。では、どうすれば良いのか。

今回の『世界目線で考える。』では、企業法務分野の権威であり、かつてネット法を提言し日本のイノベーション活性化を目指したTMI総合法律事務所弁護士で一橋大学教授の岩倉正和と、風営法改正実現をリードし現在はナイトタイムエコノミー市場創出に取り組むニューポート法律事務所弁護士の齋藤貴弘、『法のデザイン』を出版し、当事者が主体的に関わることで法によるイノベーションは加速できると唱えるシティライツ法律事務所弁護士の水野祐をゲストに迎え、法とイノベーション、法とビジネス、法と社会にまつわる様々な課題や最新事情を聞きながら、どのように法をアップデートしていけば良いのかを探っていく。

【関連記事】『法をアップデートする3のこと』『ガラパゴス化する日本の法

岩倉正和弁護士 プロフィール

TMI総合法律事務所パートナー、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。1987年に第一東京弁護士会登録、西村眞田法律事務所(現 西村あさひ法律事務所)入所。1993年ハーバード・ロースクール卒業。同年にニューヨークのデビボイス・アンド・プリンプトン法律事務所に勤め、翌年にニューヨーク州弁護士資格を取得。1994年ワシントンD.C.のアーノルド・アンド・ポーター法律事務所勤務。ハーバード・ロースクール客員教授(2度)、京都大学大学院法学研究科講師等を歴任し、2006年に一橋大学大学院教授に着任、2017年TMI総合法律事務所参画。企業法務、特にM&Aおよび知財・エンタメ分野を専門とし、日本のイノベーション活性化に向けたネット法制定の提言も行った。現在、フィンテック・AIなどの分野に注力している。

齋藤貴弘弁護士 プロフィール

2006年に弁護士登録後、勤務弁護士を経て、2013年に独立。2016年、業務拡大に伴いニューポート法律事務所を開設。幅広いクライアント企業の法律業務を取り扱うとともに、近年は、ダンスやナイトエンターテインメントを規制する風営法改正をリードするほか、外国人の就労ビザ規制緩和などにもかかわる。各種ルールメイキングや、さらには規制緩和に伴う新規事業支援にも注力している。
https://newport-law.com/

水野祐弁護士 プロフィール

シティライツ法律事務所弁護士。Arts and Law代表理事。Creative Commons Japan理事。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(リーガルデザイン・ラボ)。FabLab Japan Networkなどにも所属。著作に『法のデザイン −創造性とイノベーションは法によって加速する』(フィルムアート)、『クリエイターのための渡世術』(ワークスコーポレーション、共著)、『オープンデザイン参加と共創から生まれる「つくりかたの未来」』(オライリー・ジャパン、共同翻訳・執筆)、『デジタルで変わる宣伝広告の基礎』(宣伝会議、共著)、『秩序なき時代の知性』(ポプラ新書、佐藤優との対談)、『これからの僕らの働き方』(早川書房、インタビュー)などがある。
Twitter : @TasukuMizuno

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