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東北アップデート:希望とともに走る

マラソンや自転車レースへの参加を通じ、被災地復興に貢献する

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Text by Nick Narigon

2011年の東日本大震災後、ニューヨークにいた竹川隆司は、同僚やタクシー運転手から寄せられる、あり余る共感に心を動かされた。これに影響を受け、行動を起こすことを思い立ったこのベテランランナーは、宮城県の津波被災地域で『東北風土マラソン&フェスティバル』を立ち上げた。「マラソンは、東北地方以外や世界全土から人を集めるツールに過ぎません。レースだけでなく、食べ物やお酒なども楽しむのも目的です」と、竹川は語る。

しかし同フェスティバルは、政府が65,000億円の拠出を約束した自立支援計画の一部として開催される数多くのイベントのひとつでしかない。マラソンから自転車ツアーまで、ボランティア団体はそれぞれの役割を担い、地元産業を活性化するために、持久力に優れたアスリートや観客を数多く東北に呼び集めている。ここで、観光客のお金が復興につながるイベントをいくつか紹介しよう。

特集『東北アップデート』のアーカイブはこちら

ナイツ・イン・ホワイト・ライクラ

6月14日(木)〜17日(日)

40人を超えるサイクリストが風光明媚(めいび)な山々を抜け、このイベントの収益が役立てられている一関の児童養護施設まで、500キロを超える道のりを自転車で走る。「子どもたちから完走証明書を受け取ることは、とても感動的な体験です」と、『ナイツ・イン・ホワイト・ライクラ』の創設者ロブ・ウィリアムズは語る。同団体は、2012年から2015年までに東北への寄付金1,560万円を集めた。

今年、同団体は毎年のサイクルツアー以外にも、東京・皇居周辺で24時間ジョギング(終了)、421日(土)に多摩センターでチャリティー・フットサル・トーナメント、12月には東京から埼玉にある児童養護施設まで走る55キロウルトラマラソンを主催する。

kiwl.net

ツール・ド・東北

915日(土)〜16日(日)

毎年開催される自転車の大会。第二次世界大戦後の石巻地域の復興を支援する目的で1952年に初めて行われた。観光活性化策として2013年に再開されて以来、『ツール・ド・東北』は著名人からファッションデザイナー、オリンピック選手まで、数多くの自転車愛好家を魅了してきた。 昨年のイベントでは、参加者は60キロから200キロまで、距離の異なる複数のルートから選択して走った。

今年のコースは最終決定はしていないが、海外線に沿ったもので、サイクリストたちは海、山、さらには新鮮な焼きホタテガイ、女川汁、ホヤなどの地元の珍味を楽しむことができる。

tourdetohoku.yahoo.co.jp

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東北みやぎ復興マラソン

1013日(土)〜14日(日)

2011年311日の津波で、宮城県岩沼市は大きな被害に見舞われ、同市の公園は、がれきや車などが散乱する荒れ地となった。現在は防波堤と道路が整備されている。『東北みやぎ復興マラソン』は、公園やレクリエーション施設に、賑わいや興奮を呼び戻すことを目的としている。

毎年開催されており、岩沼海浜緑地公園からスタート。4000人近い地元ボランティアがサービスを提供し、地元のグルメや石巻の石工が作ったメダルなどが有名だ。

fukko-marathon.jp

東北風土マラソン&フェスティバル

3/4月(2019年)

去る3月、5万人を超える観客が、桜と登米牛スティック、三陸のカキ、東北全6県の日本酒138銘柄を楽しみながら、7000人超のランナーに声援を送った。『東北風土マラソン&フェスティバル』では、地元の酒造会社での試飲会や、海岸沿いの南三陸町へのツアーなども催された。参加者たちは、ツアーに参加することで町の再興をその目で確かめていた。

「2011年の東北の震災で何が起きたのか、そして人々がどれほど立ち直る力を持っているのかを知りました。このマラソンとフェスティバルによって、私は地元の人々との結びつきができ、この土地を大好きになりました」と、同マラソンを複数回完走しているチャールズ・チェンは話している。

tohokumarathon.com

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