かもめブックス 前田隆紀おすすめの1冊
『心は孤独な狩人』は、大切な人を失った男がその後にたどる運命をつづった、映画『愛すれど心さびしく』の原作小説だ。
「舞台は1930年代アメリカ南部の田舎町。貧しく、欠落や鬱屈(うっくつ)を抱えた、満たされない人々の『孤独』が描かれています。『孤独』は(もちろん『愛』とセットに)、どこまでいっても人間を悩ませるもの。安易な共感を誘う文章はありませんが、作者の視線は深い優しさに貫かれています。 そこに救いはなくとも、そんな『なけなし』の優しさだけが人を生かし続けるのでは?と反すうさせられる、半永久的に古びない傑作です」と、かもめブックスの前田は薦める。