2020年に注目のパラリンピック競技8選

「戦略性」「スピード感」「華やかさ」「豪快さ」を指標に魅力紹介

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in collaboration with 日経マガジンFUTURECITY

2年後の東京大会で16回目を迎える夏季パラリンピック。前回のリオデジャネイロ大会には、約160の国・地域から4300人以上の選手が参加した。2020年も世界中の注目が集まるのは間違いない。東京大会で開催される22の正式競技の中から、大会組織委アドバイザーやパラリンピックサポートセンター顧問などを務める澤邊芳明が選ぶ注目の8競技を紹介する。

スピード満ちるパラの花形

車いすバスケットボール

歴史が長く、競技人口が最も多いパラスポーツの一つ。海外にはプロリーグもあり、日本代表の強化も急がれている。井上雄彦の漫画「リアル」の題材としても知られる。コートやボールは一般のバスケと同じものを使用。ボールを持った状態で3回車いすをこぐとトラベリングになる。1チームは5人。障がいの程度によって一人一人、1~4.5点まで持ち点があり、5人の合計が14点以内でなければいけない。

拾ってつないで頂点へ

シッティングバレーボール

床に臀部(でんぶ)の一部が接触した状態(座位)でプレーする6人制バレーボール。1956年に、戦争でけがをした人たちが考案した。一般のバレーボールよりも狭い6×10mのコート、低いネットを使用する。リオ大会では出場を逃した日本だが、東京大会では、持ち味の「拾って、つないで、粘って、チーム一丸」をどこまで発揮できるかと、サーブで相手を崩せるかがポイントになりそう。

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火花飛び交う殺人球技

ウィルチェアーラグビー

車いす同士がぶつかり合う迫力が注目を集める人気競技。激しさゆえ、「マーダーボール(殺人球技)」とも呼ばれる。2000年シドニー大会から正式競技となった。日本は大会を重ねるごとに順位を上げ、リオ大会では悲願の銅を獲得。代表チームに女性選手が加わったことでも話題になった。「投げる」「打つ」「ドリブル」などの方法で球を運び、ゴールラインを超えると得点になる。

欧州発、究極の頭脳戦

ボッチャ

「ボッチャ」はイタリア語でボール。白い目標球めがけて、赤と青の球を6球ずつ投げ、最終的に目標球に近いチームが勝つ。強豪国はタイ。日本はリオ大会で銀だった。重度身体障がい者らのために考案されたが、戦略性の高さやシンプルなルールから、一般にも普及の兆しが見えている。

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超人たちの熾烈な争い

陸上競技

身体障がいや視覚障がい、知的障がいなど様々な選手が出場するため、その種類と程度で細かくクラス分けされている。選手たちは、車いすや義足、義手など、障がいの特性に合わせた用具を使いこなす。リオ大会女子400m銅メダルの辻沙絵、車いすレースの樋口政幸、100mと走り幅跳びの山本篤ら注目選手も多い。

静けさの中の熱き戦い

ゴールボール

視覚障がい者のために考えられた競技で、第二次世界大戦のころから存在していた。1チーム3人。目隠しの状態で、鈴が入ったボールを転がし合い、音を頼りにゴールを目指す。音が重要なため、観客は物音を立ててはいけない。ロンドン大会では日本女子が金を獲得。

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スリル&駆け引きの新競技

バドミントン

東京大会からの正式競技。大きく分けて「車いす」と「立位」のカテゴリーがある。「車いす」のシングルスは半面コートを使用するルールのため、攻撃のテンポが速くなる。スリリングな展開と、緻密な駆け引きが見どころだ。「立位」女子シングルスでは、世界ランキング1位の鈴木亜弥子に金メダルの期待がかかる。

華麗ないすコントロール

車いすテニス

一般のテニスと違い、2バウンドでの返球も認められる。史上初のグランドスラムを達成した国枝慎吾や、リオ大会で銅の上地結衣らが有名だ。車いすの性能は、サーブや反応速度などに大きく影響する。開発に1000万円以上を投じる選手もいるが、国枝は「機材に頼らない」と明言。

東京パラリンピックで開催される22の正式競技

アーチェリー/ゴールボール/卓球/陸上競技/柔道/テコンドー/バドミントン/パワーリフティング/トライアスロン/ボッチャ/ボート/車いすバスケットボール/カヌー/射撃/車いすフェンシング/自転車競技/シッティングバレーボール/ウィルチェアーラグビー/馬術/水泳/車いすテニス/5人制サッカー

日経マガジンFUTURECITY第3号から転載

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