ムードあふれる青紫色の照明、ドラムセットとキーボードを備えたステージ、壁にディスプレイされたオーナーのギターコレクション約50台、不思議なピカソの絵を飾るこのバーは、ハードロック好きのファンを魅了する。
80年代の音楽(なぜかマイケル・ジャクソンの曲も)が流れ、バンドによるイベントも開催。西新宿の人通りの少ないエリアに店を構え、新宿駅から少し歩くものの、口コミによりその人気が広がった。
しばしば東京の赤線地帯と呼ばれる新宿の歌舞伎町は、アムステルダムの売春街とは異なる類いだが、ホストやホステスバー、ラブホテル、更にはこのエリアの何百もの事業を統括していると言われるヤクザが点在する。
歌舞伎町の通りを夜歩いていると目に飛び込んでくるのは、きらびやかな広告板、永遠と続く店舗、バーやレストラン街、奇抜なファッションといった、言わば典型的な東京である。そのため、このエリアが元々沼地で、明治期以降は閑静な住宅街として発展していたという歴史が非常に興味深く感じられる。
その後、第二次世界大戦の東京空襲で完全に破壊されたこの地に、歌舞伎座を建築する計画があったことから、歌舞伎町という名前を付けられた。実際に歌舞伎座が建設されることはなかったが、1960年代以降にいくつもの軽飲食店街が建設された結果、徐々に東京で最大規模を誇る娯楽街、およびアジアで最大の赤線地帯へと変貌していったのだ。
しかし、この「眠らない街」には、セックスとヤクザ以外にもいくつもの魅力がある。そのひとつに、オールドスクールロックがある事は意外と知られていない。ここでは、今や過去の産物となってしまったサブカルチャーが抱えるノスタルジアを満たしてくれる、新宿で訪れるべきロックバーを紹介。正真正銘のロック好きによるロック好きの為の空間に身を委ねながら、一献傾けてみては。
※2014年のタイムアウト東京マガジン(英語版)から転載
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ムードあふれる青紫色の照明、ドラムセットとキーボードを備えたステージ、壁にディスプレイされたオーナーのギターコレクション約50台、不思議なピカソの絵を飾るこのバーは、ハードロック好きのファンを魅了する。
80年代の音楽(なぜかマイケル・ジャクソンの曲も)が流れ、バンドによるイベントも開催。西新宿の人通りの少ないエリアに店を構え、新宿駅から少し歩くものの、口コミによりその人気が広がった。
長髪でギタリストの店主は、このライブミュージックバーの雰囲気にぴったりとはまっている。新宿がロックの「コアな地域」であるため、同地にバーをオープンした。
主に1970〜80年代のブリティッシュロックに焦点を当てている。レッド・ツェッペリンのファンであることは、ディスプレイされているツェッペリンのインセンスや赤ワインからもわかるだろう。
実際にここで演奏するバンドは、カバー曲やオリジナルのジャパニーズロックなども披露する。バーカウンターやステージ前のテーブル席を確保して、週末の19時頃から行われるバンド演奏に聞き入り、軽めのディナーを楽しもう。
ジャニス・ジョップリンのファンは、間違いなくこの落ち着いた空間でアットホームな気分に浸れるだろう。最も好きなアーティストとして、ジョップリンを挙げる元プロシンガーのオーナーによってオープンした同バーは、壁スペースとセットリストの大半を、そのかすれ声の歌手に捧げている。
バーカウンターの裏よりオーナー自ら、おいしいオムライスやサザンカンフォートを提供。必要であれば男女の悩み相談にも乗ってくれる。ジョップリン以外にもハードロックやポップロックなどが流れ、気分が乗ってきたら置いてあるギターで即興の演奏を楽しむこともできる。
日本でまだカラオケを試した事が無ければ、ぜひともここに足を運ぶべきだ。このバーでは、ジャーニーの『ドント・ストップ・ビリーヴィン』などの曲を選べるだけでなく、オーナーたちが、歌に合わせてギターとサックスを伴奏してくれる。
部屋にディスプレーされた4つの巨大テレビ画面、ランダムに配置されたギター、黒塗りのカーテン、そしてあらゆる空きスペースに描いたアートワークからは、バーというよりレコーディングスタジオのような印象を受ける。プロレスラーや漫画家、モータースポーツファンと一緒に楽しい夜を過ごせるだろう。
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