フェムケ・ハルセマ(以下、ハルセマ):日本ではセクシュアリティ(性的関心)やドラッグに対する不安が大きいと思います。もちろん、ナイトライフの場は多くの若者がドラッグや性的側面の関心を喚起されやすい場であることは事実です。しかし一方でナイトライフが重要な場である理由があります。つまり、ナイトライフは比較的安全でコントロールできる場所であり、助けてくれる誰かがいる場所なのです。
何をされるのか、何を与えられるのか、どんな状況かも分からない誰かの家のリビングルームより安全な場としてクラブを捉えて、安全を守るために行政もナイトクラブなどをサポートしていくことが重要です。
テオ・ペータス(以下、ペータス):政府は、強い規制をかけることで人々の創造性や新しい行動を抑制してしまいがちです。人々が何か実験的なことを始めたり、体験したりできるような自由を残しておくために、直ちに規制をするのではなく、人々の活動と距離をとっておく必要があると思うのです。
サビーヌ・ヒンブレレ:市長がおっしゃるようなナイトライフの重要性については私も十分に理解しています。日本のナイトライフのためにアムステルダムも協力していきたいと思っています。ナイトライフにおける女性の地位やハラスメントを防ぐ方法など、CHICKS ON A MISSIONが取り組んでいるような問題に関しても、私たちが情報共有し、継続的に協力できるかもしれません。
逆に、アムステルダムが東京から学べることもたくさんあると思っています。日本に残る個性的で小さなベニューや、オランダではほとんどなくなってしまったアンダーグラウンド精神にあふれる文化、アバンギャルドや実験的な取り組みについては、アムステルダム側が学びたいです。