シカゴ
誰がハウスミュージックを生み出したのか明確には分かっていないが、シカゴがハウスミュージックの発祥地であることは広く知られている。
1980年代初頭、フランキー・ナックルズ(Frankie Knuckles)などの若いクラブDJたちがヨーロッパの電子音楽を実験的に取り入れ、反復的な四つ打ちのリズムや、ドラムマシンのローランド『TR-808』を使って新しいサウンドを作り出した。
マーシャル・ジェファーソン(Marshall Jefferson)の『Move Your Body』や、ミスター・フィンガーズの『Can You Feel It』などの名曲は、シカゴハウスのパイオニアであるTrax Recordsからリリースされたものだ。その後、メロディックかつディープなサウンドを特徴とするディープハウスといったジャンルも生み出されていった。
1990年代に入ると、ハウスミュージックはよりラウドに、そしてよりファンキーで刺激的なものへと進化を遂げる。シカゴの伝説的レーベル「ダンスマニア」から派生したゲットーハウス、そしてBPMが140以上の高速ビートを特徴とするジュークやフットワークといった新たなジャンルが登場。ヒップホップとゲットーハウスのハイブリッドであるこのサウンドは、この街の音楽史を語る上では欠かせない存在だろう。
地元シカゴのストリートで開催されている『フットワークパーティー』では、ダンスバトルが行われ、ダンスムーブメントとしても盛り上がりを見せている。ダンサーたちのスピーディーでキレの良い動きは見応えがあり、とにかく圧巻。
RP Boo、DJ Rashad、JlinなどのDJが、この爽快なサウンドを最先端でプレイしてきた代表者として知られている。