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2021年初頭に埼玉県の西川口から広尾に移転したザムザムの泉が、夏に向けた新メニューを打ち出した。提供するのは、『ザムザム涼麺セット』(4,000円)。中国西北部、甘粛省の省都である蘭州で夏季に食べられる常温の麺料理だ。日本でいう冷やし中華のように、蘭州の牛肉麺屋のみ流通している夏の定番のメニューだという。
スープのうま味際立つ野菜たっぷりの涼麺
ザムザムの泉は、蘭州でイスラム教を信仰する少数民族、回族の一家が営業する料理店だ。きっかけは、「ハラルの中華料理店が東京に少ないなかで、故郷で食べた味を作り出そうと始めた」と店主の弟は話してくれた。
今回提供する『涼麺』とは、中国語で「凉面(リィァンミィェン)」と呼ばれる常温の麺料理。ピリリと爽やかな辛さの花椒(ホアジャオ)をはじめ、草果、八角、肉蔻、桂皮、山奈(全て中国語表記)ほか、18〜23種類の薬膳が入ったとろみのある牛骨スープが特徴だ。夏には体を涼しくさせる作用がある薬膳を入れるなど、季節によって素材を調整しているのだそう。
ほんのり温かいスープは、ニラの葉より少し細めの手打ち麺(クァンジゥイェ)が絡み合い、タケノコやキクラゲ、ジャガイモのほか季節の野菜がたっぷりと入った栄養満点の一皿に仕上がっている。褐色色の見た目だが、辛味はほとんどない。セットは、『涼麺』に『三泡台(サンパオタイ)』と呼ばれる薬膳茶と牛骨スープが付いて4,000円。スープと茶は、これだけでも通いたくなるおいしさだ。
グルテンフリーの春雨を使った新メニューも登場
また6月11日(金)からは、定番3メニューをリニューアル。蘭州牛肉麺がセットの『槐〜enju〜』(3,000円)、『金城〜kinjo〜』(5,000円)のほか、薬膳煮込み料理をメインにした『玫瑰〜meigui〜』(6,000円)が新たに加わった。『玫瑰〜meigui〜』は、とろりとしたあんと春雨、野菜を煮込んだ『老蘭州薬膳煮込み烩飯』とご飯、手包みの水餃子、冷菜、デザートが付いたセットだ。「烩飯(ホイハン)」とはあんかけご飯のことで、中国でよく食べられるメニューだという。
薬膳たっぷりのあんは絶品で、さらに牛骨スープも付いている。口に含むとほろりとほどけるスパイシーなミートボールは、一度揚げた肉団子を炊いたもので独特の食感。ほかのメニューと同じように辛くしていない理由は、うま味が飛んでしまうからだという。
『ザムザム涼麺セット』の提供は6月11日(金)から。夏本番を迎える前に、ザムザムの泉で体を労る薬膳メニューを試してみよう。
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