ニュース

横浜市内の土を絵の具にして制作、淺井裕介の新作が横浜美術館で特別展示

7月5日~7日、大型作品「八百万の森へ」が公開

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
淺井裕介《八百万の森へ》
淺井裕介《八百万の森へ》 2023年 横浜を含む日本各地の土、アクリルレジン、木炭、鉛筆、弁柄、9枚の木製パネル 325 × 390 cm(可変) 横浜美術館蔵(横浜信用金庫創立100周年記念寄附による購入) 撮影:坂本理
広告

淺井裕介は、土、水、ほこり、小麦粉、テープ、ぺンなどの身近な素材を使いながら、ありとあらゆる場所に絵を描く現代美術家だ。そんな淺井の新作「八百万の森へ」が、国際アートフェア「Tokyo Gendai」の開催と合わせて「横浜美術館」に特別展示される。

淺井はこれまで市販の絵の具は使用せず、訪れた場所の土や水を素材に植物や動物たちを描いた「泥絵」の数々を発表してきた。今回発表された作品は、横浜市文化基金に寄せられた寄付金を財源に、横浜市が作品の制作を依頼したものだ。 

淺井裕介
Photo: 武田陽介淺井裕介

淺井は依頼を受けて以来8カ月にわたって、絵の具の素材となる「土」を横浜のあちらこちらから収集。多くのボランティアの協力によって出来上がった93種類の「土絵具」を使い、大型作品を完成させた。

9枚のパネルによって構成された同作品は、組み合わせ方によってさまざまな表情が現れるという。淺井の作品は建物の壁や床に直接描かれることが多いため、完成後は動かすことができなかったり、展覧会の終了とともに消えてしまったりするものも少なくない。今回の作品は展示終了後、横浜美術館に収蔵されるとのことだが、今後は何度でも展示が可能だという。

「八百万の森へ」の展示期間は、2024年7月5日(金)~7月7日(日)。「パシフィコ横浜」に73のギャラリーが集結する「Tokyo Gendai」も、併せてチェックしてみてほしい。

関連記事

唯一無二のイラストレーター・宇野亞喜良、70年の活動をたどる大回顧展

画鬼・河鍋暁斎と鬼才の冒険家・松浦武四郎の友情が生んだ涅槃図を公開

日本ホラー漫画の鬼才、伊藤潤二の大規模原画展が初開催

犬派?猫派?どちらも楽しい日本画の展示が山種美術館で開催中

津田淳子や大島依提亜らが参加、印刷表現の可能性を探る展覧会

東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら

最新ニュース

    広告