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自由で上質な日常に寄り添う、カフェ&バー「ナンバー」が移転リニューアル

代々木上原の複合施設「CABO」の1階に入居、ラーメンなど意外な新メニューも

編集:
Genya Aoki
寄稿::
Aya Ueno
ナンバー
Photo: Kisa Toyoshima
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2023年6月26日、「職・住・遊」の融合をコンセプトにしたスモールコンプレックス「カボ ウエハラ(CABO uehara)」が代々木上原にリニューアルオープンした。1階には、代々木上原で人気を集めていたカフェバー「ナンバー(No.)」が移転。オールデイスタイルでの営業は変わらず、さらに朝、昼、夜と時間帯ごとでの楽しみ方の幅を広げ、進化した。

ナンバー
Photo: Kisa Toyoshima

オーナーの大谷省悟は、カボ全体のプロデュースに携わる「サンマルイチ(301)」の代表でもある。「私が思う代々木上原のイメージは、人と人、人と店、店と店、生活と仕事の距離感が近い場所。そんなエリアで、昼夜を問わず人々がふらりと立ち寄れる場を作りたかったんです」と語る。

ナンバー
画像提供:株式会社301

人々のリアルな生活に徹底的に寄り添い、テラス席のほか、あえて両側はスタンディングにしたバーカウンターやモダンな丸テーブルなど、自由度の高い利用スタイルを想定した空間はまさにこの思いを体現しているといえるだろう。

朝、昼、夜と時間帯ごとに開発した新メニュー

ナンバー
Photo: Kisa Toyoshima

9時からスタートするモーニングのおすすめは、三軒茶屋のクロワッサン専門店「プラット(plat)」による「クロワッサン クラシック」(470円、以下全て税込み)と「フラットホワイト」(600円)だ。石臼でひいた小麦を使用したクロワッサンは、頬張ると中はしっとりとした食感で、バター本来の甘みと塩味がふんわりと香る。ぜひ手でちぎって食べてみてほしい。柔軟性のあるもっちり感と、パリパリとした外側とのコントラストが見事だ。

ナンバー
Photo: Kisa Toyoshima

艶やかできめ細かいスチームミルクが表面を覆うフラットホワイトは、まろやかで舌触りの良いミルクの奥に、苦みのあるナッティなエスプレッソの確かな存在感とミルクチョコレートのような重厚感がある。

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Photo: Kisa Toyoshima「ブレンド ティー」と「たまごサンド」

夏場におすすめなのは、ネパール産の茶葉を用いたチャイを中心に提供する中目黒のティーハウス「チャバ(CHIYA-BA)」とコラボレーションした「ブレンド ティー(アイス)」(600円)。香り高いスパイスの特徴はそのままに、ナンバーのコンセプトでもある「日々飲めるような」飲みやすいブレンドで仕上げている。スッキリと清涼感があり、まさに暑い日にぴったりのドリンクだ。

「たまごサンド」(900円)もぜひ食べてみてほしい。ふわふわもちもちの食パンは、高田馬場にある街のベーカリー「馬場フラット(FLAT)」のもの。具材は軽くゆでた軽やかな卵、ディル、赤タマネギ。これを、粉砕した台湾発のスパイス「馬告」とマヨネーズなどで和える。馬告はショウガに近いピリッとした辛さがあり、サンドイッチが一気に引き締まる。

ナンバー
Photo: Kisa Toyoshima

午後のアペロからディナータイムにかけて、世界中で親しまれるネグローニをどのシチュエーションでも気軽に飲めるようにアレンジしたオリジナルの「ネグローニ モダン」(1,300円)を楽しむのもいいだろう。「敷居の高さを感じず、カジュアルかつ日常的に楽しんでほしい」という大谷の思いから登場したメニューだ。思わず喉の奥が熱くなるような感覚が心地よい。トラディショナルなジン、ビタースイートなカンパリの香りが鼻腔(びこう)をくすぐる。

ナンバー
Photo: Kisa Toyoshima「煮干しラーメン」

一日の締めには「煮干しラーメン」(950円)をチョイスしてみては。粉末化した煮干しと鶏の手羽元で丁寧に取っただしを濾(こ)し、醤油だれで味を整えたあっさり醤油ベースのラーメンスープ。トッピングは、自家製のローストハム、青ネギ、香ばしいフライドオニオン。最後にかけたオリーブオイルで、素材の香りがより引き立つ。

「近所に深夜まで開店しているラーメン屋がなかったから作った」という開発背景もまた、地域の人々の日常に寄り添う中で形になったことの一つだ。

ナンバー
Photo: Kisa Toyoshima

取材時は、平日でも会話を楽しんだり、一人の時間をたしなんだり、仕事をしたりと、さまざまな客がひっきりなしに訪れていた。

7月下旬からは、ナンバーの奥でブックディレクターの三條陽平が監修する書店も始動する予定だ。

ナンバー
Photo: Kisa Toyoshima企画展などを開催するブックコーナー

おいしい酒と食を昼夜を問わず自由に楽しめる場が、街の人々の生活や仕事にどのようにコミットしていくのか、これからも目が離せない。

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