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ニューヨークで新しい家を探しているのであれば、ウェス・アンダーソンの代表作に登場した邸宅を借りてみるのはどうだろう。映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001年)の舞台となった有名な建物が、1999年以来初めて、賃貸物件として市場に出ているのだ。
この物件が位置するのは、ハミルトンハイツというマンハッタン北部のエリア。物件情報を掲載しているSteetEasyによると、家賃は月2万ドル(約219万円)。豊かな歴史を誇るこの邸宅には、6つのベッドルーム、4つのバスルーム、庭、シェフ用キッチン、執事用キッチン、6つのガス式暖炉が備わっている(作品に登場したのは一部)。50以上もの窓があり、家の木製部分は建設当時のものだ。
この一戸建てのタウンハウスは、1899年にジェイコブ・D・バトラーが建てたもので、設計を担当したのはアドルフ・ホーク。かつて有名弁護士のチャールズ・H・タトルが住んでいたこともあり、彼と親交のあったフィオレロ・ラガーディア(1934年から1945年までのニューヨーク市長)なども訪れていたそうだ。まさに、ニューヨークの歴史を物語る建物といえるだろう。
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の中でこの物件は、架空の通りであるアーチャー・アベニューに立つテネンバウム家の邸宅として登場する。友人と車で移動中にこの家を見つけて気に入った監督は、この場所で6カ月かけて屋内外のシーンを撮影したという。
家賃は高いが、家具は備え付けだ。アンダーソン風のものもある。ニューヨーカーの中には、この物件を高くないと感じる人もいる人もいるだろう。家にいる時間が長くなったことを考えると、大きな大邸に多少余分に投資することは、実際に価値のあることかもしれない。
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