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つげ義春、漫画家として初めて日本芸術院会員候補に選出

推薦理由は「生き方がトータルに注目される存在」、ちばてつやらも

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Time Out Tokyo Editors
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日本芸術院(院長:高階秀爾)は2022年2月22日、漫画家のつげ義春(本名:柘植義春)ら9人を新会員候補として選出すると発表した。2月8日に日本芸術院長が文部科学大臣に上申、3月1日(火)付けで文部科学大臣から発令予定。会員数は103人になる見込みで、各会員は非常勤国家公務員として250万円の年金が支給される。

つげは、1937年東京都葛飾区生まれの84歳。雑誌『ガロ』を中心に『ねじ式』や『夜が掴む』『李さん一家』『別離』など幅広く作品を発表し、今日に至るまで多くの読者を獲得してきた。

今回の選出に際しては、1960年代後半に「人間存在の不条理や世界からの疎外を垣間見せる『文学的な』 表現によって、自己表現としてマンガを捉える青年たちに絶大な影響を与え」、「マンガの世界を越えて、美術と文学の世界からも高い評価を集め、その作品を読み解く試みを誘発してマンガ評論の発展にも影響を及ぼした」点などが理由。「その生き方がトータルに注目される唯一無二の存在」「『芸術』としてのマンガ表現において日本を代表する作家」と非常に高く評されている。

同院の発表によると、つげは第2部(文芸)第10分科会(マンガ)で選ばれた。ほかに漫画家で選出されたのは、ちばてつや(本名:千葉徹弥、83歳)のみ。第2部以外では、画家の千住博(64歳)、建築家の伊東豊雄(80歳)、指揮者の小澤征爾(86歳)らが候補として挙がっている。

時事通信の報道では「マンガ」や「写真、映像」などの分野は今回の選出から対象となり、つげは漫画で選ばれた最初の会員の一人となる。

マンガが選ばれた背景には、従来の会員の選び方に対して「閉鎖的」との指摘を受けたことへの配慮があるという。会員の推薦には文化庁が指定した外部有識者が加わっており、マンガ分野では日本マンガ協会会長の里中満智子や京都精華大学マンガ学部教授の吉村和真らが参加している。 

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