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「未完の旅」を続ける横尾忠則の展覧会が「グッチ銀座 ギャラリー」で開催

4月23日〜8月24日まで、初公開や最新作6点含めた約30点を展示

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Kaoru Hoshino
横尾忠則
画像提供:GUCCI | Courtesy of Gucci ©Tadanori Yokoo
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日本を代表するアーティストの横尾忠則の展覧会横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」が、2025年4月23日(水)から8月24日(日)まで「グッチ銀座 ギャラリー」で開催される。

横尾忠則
画像提供:GUCCICourtesy of Gucci ©Tadanori Yokoo

同展のテーマは「未完」。1960年代からおよそ60年にわたり、横尾は徹底して自我を疑い続け、一つの完成形にとどまることを拒み、自らのスタイルを定めようとはしなかった。その姿勢こそが、横尾の作品に独創的な印象を与え、世界中の人々を魅了してきたといえる。

会場には、「旅」を想起させる多様な作品を中心に、自画像や家族の肖像といった最新作6点を含む約30点が並ぶ。88歳を迎えた2025年に、横尾がどのような新作を発表するのか、注目が集まる。

横尾忠則
画像提供:GUCCICourtesy of Gucci

さらに見逃せないのは、屋上展示だ。同展のために特別に解放された屋上には、1970年の「日本万国博覧会(大阪万博)」で横尾が建築デザインを担当したパビリオン「せんい館」の屋上インスタレーションが再現される。

建設途中の現場を偶然訪れた際、未完成の建物に内在する美を見いだした横尾は、完成間近にデザインを変更。赤いドームを囲む足場や、作業員の手形をそのまま残すことで、作品を「凍結」させ、「未完成の美」を可視化する試みに挑んだ。

横尾忠則
画像提供:GUCCICourtesy of Gucci ©Tadanori Yokoo

「人間は未完成のまま生まれ、未完成のまま死んでいく。」そんな横尾の生命観を象徴しているかのような同作を見逃す手はないだろう。

なお、同時期には「世田谷美術館」で「横尾忠則 連画の河」展も開催。同時に2つの会場で横尾の世界観に触れられる、またとない機会となっている。

横尾忠則 連画の河
横尾忠則《連画の河、タヒチに》2024年 作家蔵

「芸術の創造性は、完成よりも未完にこそ宿る」という信念の下、横尾は予定調和を拒み、常に変化と挑戦を続けてきた。まるで終わりのない旅のような創作の道のりを歩み続ける彼の、作品から発せられるエネルギーを体感してほしい。

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