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現存する日本の初期モダニズム建築としても重要な「大阪瓦斯ビルヂング」。「ガスビル」の愛称で知られる同建築の設計を手がけた安井武雄が1924年に創設した設計事務所の100周年を記念したイベント「まちなか展」が、東京と大阪で開催される。「建築の魅力を楽しむ展覧会」をコンセプトに、実際の建築を会場にした展覧会となる予定だ。
安井の事務所を前身とする安井建築設計事務所といえば、ガスビルをはじめ「サントリー山崎蒸溜所」など、本社の所在する関西での業績がつとに知られているが、東京のアート好きには「三鷹天命反転住宅」の設計を担った組織だと言った方が馴染みやすいかもしれない。不世出のアーティスト・荒川修作と、そのパートナーで自身も美術家・詩人として活躍したマドリン・ギンズ(Madeline Gins)による卓越したコンセプトを具現化したのが同社だ。
今回開催される100周年記念イベントでは、残念ながら三鷹天命反転住宅は会場になっていないものの、「東京国際クルーズターミナル」や「サントリーホール」など、東京と大阪合わせて10カ所の建築を会場に、建築が誕生するまでの設計プロセスなどを知ることのできる展示が行われる。2024年に移転し、「美土代クリエイティブ特区」と銘打ったプロジェクトを展開している東京事務所をつぶさに見られる機会ともなるだろう。
会期中は、設計者やゲストによる解説付きの見学ツアーやトークセッション、ワークショップなども予定されている。特に大阪では、日本の一時代を築いたと言っても過言ではないクリエーティブディレクターの小池一子と、大阪のカルチャーを牽引(けんいん)するプロダクトデザイナーでgraf代表の服部滋樹による対談が開催されるとあって注目だ。
会期は、大阪が2024年9月6日(金)〜8日(日)、東京が10月15日(火)〜11月2日(土)となる。とりわけ東京では、会場ごとに細かい会期が異なるので、公式ウェブサイトから確認して訪れてほしい。
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