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年末年始のまったり時間にもぴったりな『パエリア ミールキット』が、2021年11月19日、渋谷ストリーム3階に店を構えるシーフードレストラン、チリンギート エスクリバのオンラインストアに登場した。
キットの内容は「マルカ」「ミックススパイス」「魚介ブイヨン」「バレンシア米」。この4つが再利用可能なジップ付きの密閉袋でパックされ、冷凍便で届く。
特に、あめ色に炒めたタマネギのみじん切りやイカの肝、トマトペーストなどを煮詰めて作る「マルカ」はパエリアの味の決め手ともいえるが、自分で作ろうと思うとかなりハードルが高い。同キットにはパエリアのベースとなるものが全てそろっているほか、調理方法もシンプルなので、普段料理をしない人が手軽に挑戦できるのもうれしい。
ポイントは米との対話
同キットの販売に先駆けて、11月16日に行われたデモンストレーションでは、チリンギート エスクリバのシェフが実際に調理をしながら、自宅で『パエリア ミールキット』を楽しむ際のポイントを紹介。シェフの話によると、どうやら「米との対話」がおいしいパエリアを作る秘訣(ひけつ)になるようだ。
そもそも、チリンギート エスクリバのパエリアの特徴は、オーブンで炊く一般的なパエリアとは違い、魚介類のだしが凝縮されたスープと一緒に直下で加熱すること。「焼く」と「炊く」を同時に行うことで、一粒一粒の米にスープの旨味が詰まった香ばしい味わいが生まれるのだ。
店の味に近付けるべく、意識する点は4つ。まずは、フライパンは28センチほどのサイズを使うこと。小さいフライパンで調理をすると米が重なってしまい、食感がふっくらとしてしまうのだそう。
2つ目は、フライパンに「マルカ」「ミックススパイス」「バレンシア米」を入れて混ぜ合わせる際、「ミックススパイス」は「バレンシア米」の上に振りかけること。粉が直接フライパンに触れると焦げやすいため、米をクッションにするといい。
3つ目は、600ccの水を加えた魚介ブイヨンを投入した後、フライパンがスカスカに感じるかもしれないが決して焦らないこと。米は石川県能美市のたけもと農場から仕入れているパエリア専門のもので、炊き上げるとしっかり水分を含み、倍以上になるのが特徴。火の通りを均一にするため、米を水平にならす必要はあるが、あまり混ぜ過ぎると削れてしまうので、だんだんと膨らんできたタイミングで水平にするのがポイントだ。
ちなみに、水を加えた魚介ブイヨンはあらかじめ温めておくと、よりおいしいパエリアに仕上がるのだそう。水のまま投入しても問題なく完成するが、キッチンスペースに余裕がある場合はぜひ一手間加えてみてほしい。
最後は、強火で蒸発させること。具材も入れて最後に水分を飛ばす際、こんなに強火でいいのかと不安になるかもしれないが、ここは強気で。この強火が香ばしさを作るのだ。スプーンで探ってみて、引っかかる感じがあればおこげができている証拠なので、しっかりと水分を飛ばそう。
自宅だからこその自由さで
「店の味に近づける」というチャレンジも一つの楽しみだが、自宅だからこその自由さも忘れないでほしい。ブイヨンが魚介ベースのため、合わせる具材は肉よりも魚介の方がいいが、キノコ類も相性抜群。デモンストレーションでは、マイタケ、エリンギ、シメジを合わせていたが、冷蔵庫にある食材で自由にオリジナルのパエリアにチャレンジできるのもキットならではの醍醐味(だいごみ)である。
反対に、パエリア用に購入した食材が余ってしまった場合は、サイドディッシュを作ってみよう。キットに同封されているパエリアの作り方が書かれた用紙には、簡単に作れる『白身魚のカタルーニャ煮込み』と『小海老とネギのアヒージョ』のレシピも掲載されている。シェフによると、アヒージョに用いるアンチョビはイカの塩辛でも代用できるとのことだ。
完成までに約1年をかけ、味や香り、見た目までもを店のパエリアと同じように再現したという同ミールキット。自宅はもちろん、持ち運び可能なカセットコンロさえあればキャンプシーンでも大活躍なので、アウトドア好きな友人へのギフトとしても喜ばれるだろう。
価格は、2人分の量が入った1セットが2,700円、4人分の量が入った2セットが4,860円で、いずれも送料は別途。ソールドアウト表記になっている場合もあるが、商品は定期的に追加されていくそうだ。なお、IHクッキングヒーターでの調理はできないので、注意してほしい。
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