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気球がどこまで高く飛べるのか、不思議に思ったことはないだろうか。実は、かなり高いところまで行けるようだ。
World Viewという企業が、気球を使って人々を宇宙の果てまで連れて行こうとしている。大半の人は、宇宙へ行く手段が「気球」だと聞くと、安全上の不安を感じるだろう。しかし同社は、気球でただ安全なだけでなく、贅沢な宇宙の旅が楽しめると主張している。
では、気球での宇宙旅行はどのような仕組みで行われるのだろうか。通常気球というと、底が開いているものを思い浮かべるかもしれないが、World View社が使うのは、ゼロプレッシャー気球。これをヘリウムガスで浮かせ、人を乗せたカプセルを宇宙(大気圏の端である上空3万メートル)へ運ぶ。World View社の「宇宙船」では、世界各地にある専用の「スペースポート」から離陸後、6時間から12時間の宇宙の旅を楽しめる予定だという。
通常の熱気球のゴンドラとは違い、World View社の気球が運ぶカプセルは密閉空間(当たり前だが、上空にはあまり酸素がない)で、内部環境は加圧と気候制御によって維持される。またカプセル自体も乱気流に耐えて、安定するように設計されている。
カプセルはデザインはすでに公開され(以下は、そのCGレンダリング画像)、2022年3月にアメリカのテキサス州オースティンで開催されたSXSWコンベンションでは、プロトタイプの展示も行われた。
この気球による宇宙の旅は、ジェット機を使った一般的なものよりも、リラックスして贅沢な時間を過ごせるようにアレンジされている。カプセルにはパイロットとコンシェルジュ、そして最大8人の乗客しか乗らないため、かなり特別な体験が得られるはずだ。1席当たりの運賃は5万ドル(約626万円)と、特別な旅にふさわしいものになっている。
World View社は、2023年に初の有人テスト飛行を行い、2024年に商業サービスを開始する予定。同社はすでに、気球を使った宇宙への旅の予約を受け付けている。興味がある人は、公式ウェブサイトから確認しよう。
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