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ニューヨークの人々にとって、「ホールフーズ・マーケット」(Whole Foods Market、以下ホールフーズ)といえば、狭いキッチンで使うオーガニックや無農薬の食材が売られている高級食料品店チェーン。多くのファンを持つ同チェーンは、街に新店をオープンするたびに大きな話題になる。
2023年1月11日にフィナンシャル・ディストリクトの「ワン・ウォール・ストリート」内に新しくオープンした店(住所:ブロードウェイ66番地)もそのうちの一つ。4万2000平方フィート(約3900平方メートル)の広さを誇るこの店のオープニングには、多くの人が集まった。同店のビジネス的成功は早くも約束されたといえるだろう。
この新店舗はマンハッタンにある10店以上のホールフーズと同様の外観、雰囲気を有している。もちろん、品揃えもだ。チーズや肉などの専門家が多く在籍し、あらゆる買い物客に喜ばれるよう、スタンダードなもの以外にもさまざまな商品を扱っている。またこの店でも当然、チェーン全体で禁止している約230種類の原材料(高果糖コーンシロップ、アスパルテーム、サッカリンなど)を使用した商品はセレクトから外されているので、安心して買い物ができる。
しかし、フィナンシャル・ディストリクトのグルメシーンに新たに加わったこのホールフーズの新店には、他店とは一線を画している点がいくつかある。どんな点なのか見ていこう。
1. 有名なビルの歴史的要素を継承
新しいホールフーズは、歴史的ビルであるワン・ウォール・ストリートの1階にある。店内に入ると、すぐにこの空間へのオマージュとして、アールデコ調の装飾があることに気がつくだろう。例えば、セルフレジの後ろの壁には古いエレベーターの扉の一部が用いられ、地下のエスカレーター近くには古い金色の郵便ポストが置かれている。
2. コーヒーバーで初めて地元でロースターの豆を提供
ホールフーズでは普段、コーヒーカウンターで「Allegro Coffee」を提供しているが、今回初めて地元の銘柄を扱っている。選ばれたロースターはブルックリンに拠点を置く「Partners Coffee」。店の入り口にあるこの豆を使ったコーヒー、ラテ、エスプレッソを味わうことができる。
3. ここでしか手に入らないユニークな商品の数々
フィナンシャル・ディストリクトの「新名所」には、ニューヨークやその近郊で作られた地元の商品もたくさん登場する。例えば、ニュージャージー州を拠点とするMatriark社のトマトソース。バージニア州の栽培農家で余った300万ポンドのトマトを使用して作られたものだ。また、最近発売されたばかりのブルックリン発の植物性ヨーグルト「CHKP」などもある。
4. ロケーション(そして秘密の「赤い部屋」)
店が入るワン・ウォール・ストリートの大部分は住宅で、ニューヨークで最も高価で豪華なアパートが売りに出ることもある建物。しかし地上階は商業施設が中心でホールフーズのほか、高級ジムの「Life Time」、アメリカ初店舗の場所としてここを選んだフランスの高級デパート「プランタン」が空間を共有する。
プランタンに入店するには、美しい「Red Room」を通る必要がある。この場所は有名なアーティスト、ヒルドレス・マイエールによってデザインされた赤と金のモザイク画があることから、この名前で呼ばれている。かつては、銀行の最も裕福な顧客のみが利用できたプライベートバンキングホールだった(そのため、この建物は「バンク・オブ・ニューヨークビル」とも呼ばれる)。
「隠れた芸術」として知られてきたRed Roomは、何年も一般公開されてこなかったが、間もなく再び公開される予定だという。プランタンに向かいがてら、ゆっくり歩いてみるといいだろう。
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