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被災を免れた珠洲焼も出品、「薪で焼いた 白と黒のシャープネス」展が銀座で開催

「セイコーハウス銀座ホール」で4人の陶芸家による展覧会

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
薪で焼いた 白と黒のシャープネス
画像提供:WAKO篠原 敬「六角蓋物」径15×h19cm
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「和光本店」の6階にあるアートギャラリー「セイコーハウス銀座ホール」で、薪窯(まきがま)焼成にこだわる4人の作家による陶芸展「薪で焼いた 白と黒のシャープネス」が開催される。独自の白の表現を追い求める谷穹(たに・きゅう)と田淵太郎(たぶち・たろう)、黒陶の世界に魅了された篠原敬(しのはら・たかし)と髙山大(たかやま・だい)が出展する。

中でも注目したいのは、2024年1月1日に起きた「令和6年能登半島地震」の発災以降、今なお多くの人が困難な生活を余儀なくされている石川県珠洲市を活動の拠点にする篠原だ。同地で生まれ、「珠洲古陶」に魅せられ作陶を志したという篠原は、2022年6月に珠洲市で最大震度6弱を記録した地震でも深刻な被害を経験している。

石川テレビの公式YouTubeにアップロードされている、篠原に取材したインタビュー映像によると、200点もの数の作品が破損しただけでなく、陶器を焼くための窯も使い物にならなくなったそうだ。一時は廃業も考えたというが、陶芸を通して得た人との出会いに力づけられ、2023年には窯を再築。新たなスタートを切った矢先での今回の地震だった。

震災に関する報道では、酒造業や漁業など、その土地ならではの産業の存続が危ぶまれる声が聞かれ胸を痛めている人も多いだろう。土そのものから生み出される陶芸も、まさにその土地でしか続けることのできないなりわいといえる。

地震の被害を免れた篠原による珠洲焼の作品も出品される薪で焼いた 白と黒のシャープネス展は、2月8日(木)~18日(日)の開催。珠洲焼の力強い黒から、被災地へと思いを馳せてほしい。

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