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新型コロナウイルス対策を理由に、博物館や美術館の作品観賞を諦めてしまうのは時期尚早だ。有名な商業施設などが休業している間も、東京だけでなく日本各地にあるさまざまな施設がオンライン展示を行っている。鳥取砂丘の砂の美術館が公開している砂の彫刻や、東京のうんこミュージアムが提供するユニークなギャラリーを自宅でゆっくりと堪能できるのだ。
作品を目の前で見た時の感動を、そのままオンラインで再現することは難しいかもしれない。しかし印象派の絵画が持つ深い歴史を知り、最先端のテクノロジーについて詳しく学ぶチャンスを逃す手はないだろう。
東京国立博物館
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国内外から収集した、多種多様な工芸品を所蔵する日本最古の博物館。オンライン展示では、仏像や陶器、日本画などのコレクションを解説付きで観賞できる。特に注目したい作品は、16世紀に狩野秀頼が描いた『観楓図屏風』。京都の高雄にある清滝川で紅葉狩りを楽しむ僧侶や子どもたちの生き生きとした様子が観られるだろう。
鳥取砂丘 砂の美術館
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鳥取砂丘にある砂を素材にした彫刻を展示する、日本唯一の野外美術館。毎年変わる展示テーマに合わせて、新しい作品が制作されるのが特徴だ。オンライン展示では、世界中で活躍するサンドアーティストたちのコレクションを間近で楽しめる。『ウィンザー城』や『バッキンガム宮殿』など緻密で精巧な砂像を堪能してほしい。
山種美術館
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1966年に設立された日本画専門の美術館。オンライン展示では、江戸時代から昭和時代までの風景画や肖像画が公開されている。2013年に本美術館で開催された特別展『小林古怪生誕130年記念 古怪と子牛』の展示会場をストリートビューで体験するのがおすすめだ。
東京国立近代美術館
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20世紀初頭から現代に至るまでに制作されたアート作品を所蔵する、日本初の国立美術館。オンライン展示では、戦前の日本画や瑛九(えいきゅう)による抽象画などを公開している。和田英作の油彩画『おうな』や木村荘八が永井荷風の小説『濹東綺譚』のために描いた挿絵、川合玉堂の『行く春』といった屏風(びょうぶ)絵が見どころだ。
うんこミュージアム TOKYO
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東京にあるうんこアート専門のミュージアム。新しく開設された『うんこミュージアム オンライン』では、飛んでくるうんこをタイミングよく撮影するゲーム『うんこシャッター』や、新進気鋭のアーティストや著名人が描いた作品を展示する『ぶりぶりギャラリー』といったユニークなコンテンツを提供している。
日本科学未来館
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お台場にある、最先端のテクノロジーを紹介する施設。しゃべるロボットや肌に貼っても違和感のない包帯型センサーなど、SF映画で見たことがあるような科学技術を体験できる。人間とアンドロイドの違いを学ぶバーチャル展示や、同施設独自のオンライン学習ページ、市民天文学プロジェクト『GALAXY CRUISE』といったオリジナリティーあふれる魅力的なコンテンツが並ぶ。
国立西洋美術館
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1959年に設立された日本を代表する美術館。さまざまな西洋美術作品を所蔵している。オンライン展示では、ルネサンス期から20世紀初頭までの絵画に加え、実業家の松方幸次郎が収集した『松方コレクション』などが並ぶ。
『常設展ギャラリートーク』という学芸員による解説付きの動画も用意されており、ガイドツアーのように詳しく学びながら作品を観賞することができる。また、1916年に完成したクロード・モネの名画『睡蓮』も自宅でゆっくりと楽しんでほしい。
大原美術館
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実業家であった大原孫三郎が1930年に設立した日本で最も古い西洋美術中心の私立美術館。オンラインコレクションでは、ピエール=オーギュスト・ルノワールやピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ、カミーユ・ピサロといった名匠たちの傑作が展示されており、ストリートビューで観賞することができる。
宝塚市立手塚治虫記念館
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日本の漫画界の父として知られ、昭和を代表するキャラクター『鉄腕アトム』を生み出した手塚治虫の貴重なコレクションを所蔵するミュージアム。オンライン展示では、手塚治虫を撮影した写真や初期のイラストなどが公開されている。
アニメ作家としての手塚治虫を紹介する特設ページもあり、テレビ・アニメーションの歴史を学ぶのがおすすめだ。兵庫県にあるレトロな当博物館をストリートビューで探索し、『鉄腕アトム』に登場する天馬博士の研究室にある円筒型のガラスケースを模した常設展示ブースを自宅で体験できるのも嬉しいところ。
名古屋市美術館
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日本における著名な芸術家たちに与えた美術史の影響をより詳しく伝えるために設立された名古屋市にある美術館。三岸節子、荒川修作、桑山忠明などの優れた日本人アーティストに加え、フリーダ・カーロ、ディエゴ・リベラ、モイズ・キスリングといった海外の巨匠たちの作品も所蔵している。
オンライン展示では、フリーダ・カーロが1938年に流産を経験した後に描いた『死の仮面を被った少女』をじっくりと観賞できる。
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