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トルコやギリシャの山火事、スイスやイタリア、フランスの暴風雨、カリブ海のハリケーン……。2024年6月終わりから7月第1週にかけて、気候非常事態の日々の天候への影響を明らかに感じる悲惨な出来事が続発した。
しかし、気候に関するポジティブなニュースもあった。ローマ教皇フランシスコが太陽光発電所の建設計画を発表したのだ。バチカン市国は間もなく、電力の100%を再生可能エネルギーで賄うことになるという。
バチカンは、ローマ郊外に所有する424ヘクタールの敷地にある、既存のソーラーパネルを増設する予定。工事が完了すれば、バチカンはエネルギー面において他国に依存しない(国土面積で)最小の国となり、エネルギーの少なくとも99.7%を再生可能エネルギーでカバーする世界7カ国(アルバニア、ブータン、ネパール、パラグアイ、アイスランド、エチオピア、コンゴ)の仲間入りをする。
99.7%まではいかないが、世界には再生可能エネルギーの割合が多い国はほかにもある。2021年から2022年にかけて、40カ国が少なくとも自国のエネルギーの50%を再生可能エネルギーで賄っているのだ。
そのうちの11カ国がヨーロッパにある。スコットランドでは、2022年に再生可能エネルギーで同国の電力消費量の113%に相当する量を発電した。そのほとんどが風力発電であったが、専門家の予想では、今後数十年の間に太陽光発電へ切り替わる見込みだ。例えば、エクセター大学とユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの科学者たちは、2050年までに太陽光発電が世界の主要エネルギー源になると考えている。
「過去の政策によって示された技術的な道筋により、世界的な太陽光発電の不可逆的転換点は過ぎたかもしれません。これ以上の気候変動政策がなくても、太陽エネルギーが徐々に世界の電力市場を支配するようになるでしょう」とインディペンデント紙に語るのは、「Nature Communications」誌に研究を発表した研究者だ。
彼らはこう続けた。「太陽エネルギーは、地球上で最も広く利用できるエネルギー資源であり、その経済的魅力は、投資が増加するサイクルにあって急速に向上しています」
まだまだ先は長いが、気候変動に関するニュースが全て悪いニュースというわけではないようだ。さらなるアップデートを期待しよう。
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