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ある都市が障がい者にとってどれだけ利用しやすいかを知りたいと思ったとき、障がい者自身の体験ほど重要な情報はない。段差のないアクセス、点字ナビゲーション、障がい者用ヘルプポイントなど、理論的には整っているものについて、実際にどのように機能しているかを知れることが最も役に立つのだ。
だからこそ、経営者ネットワークであるValuable 500による新しいレポートは非常に興味深い。これは、世界中の3500人以上の障がいを持つ旅行者の証言に基づき、世界で最もアクセスしやすい10都市を明らかにしたものだ。
Valuable 500では、段差のない地下鉄駅の数をベースに世界各都市のアクセシビリティを判断した調査を2022年初頭に行っていたが、今回はその時よりも少し調査範囲が広くなっている。都市の交通の便、アクセシビリティ情報の有無、宿泊施設と観光名所やショップ、レストランとの近さなどが調査の対象になった。
今最もアクセスしやすい都市を見てみよう。
世界で最もアクセシブルな都市(Valuable 500)
※都市名英語表記のアルファベット順
・アムステルダム(オランダ)
・ラスベガス(アメリカ)
・ロンドン(イギリス)
・ニューヨーク(アメリカ)
・オーランド(アメリカ)
・パリ(フランス)
・上海(中国)
・シンガポール
・シドニー(オーストラリア)
・東京(日本)
アムステルダム、ロンドン、パリ、シドニーなどは、バス、トラム、フェリー、地上列車など、公共交通機関が非常に利用しやすいと評価された。カンファレンス会場や宿泊施設にアクセスしやすいとされたのが、ラスベガスやオーランドだ。
ニューヨークは障がいを持つ旅行者のためのアクセシブルな都市ガイドが、上海、シンガポール、東京は数十年にわたってよりアクセシブルな公共インフラプロジェクトを構築してきたことが支持された。
上記の都市に住んでいる人なら間違いなく知っていると思うが、障がい者にとって可能な限り利用しやすい都市にするためには、まだまだ長い道のりがある。しかし、少なくともこれらの都市がほかよりも正しい道を進んでいることは間違いないだろう。
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