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賃貸住宅でお馴染みのUR都市機構が、「ヌーヴェル赤羽台」にオープンする「URまちとくらしのミュージアム」 の開館日を2023年9月15日(金)に決定した。かつて実際に使われていたエポックメイキングな団地を選んで移設した「ミュージアム棟」と、国の登録有形文化財となった旧赤羽橋団地の4棟と、芝生の「ワークショップひろば」から成る博物館だ。
ミュージアム棟は、時代も用途も違う特徴的な4団地計6戸を復元した住戸を、一つの建物の中へ収めた施設。もともとは八王子にあった「集合住宅歴史館」が移転しオープンした。
「同潤会代官山アパートメント」は1923年に建てられた、初期のコンクリート建築。単身住戸と世帯住戸が再現展示されている。URの前身である「日本住宅公団」でも初期に建てられた「蓮根団地」は、あらかじめ脚の長いテーブルを備え付けることにより、椅子に座って食事をとるライフスタイルを促した意欲的な室内設計だった。
「日本住宅公団」初の10階建てとなる「晴海高層アパート」は建設当時を代表する建築家、前川國男の手による名建築だ。「多摩平団地テラスハウス」は一般にイメージする団地とは異なる、庭付き低層集合住宅である点が特徴と言えるだろう。
ミュージアム棟ではこのほか、まちづくりの変遷を体感できる「URシアター」や、UR都市機構が手がけたまちづくりの事業を一望できる「メディアウォール」、そして団地に用いられた建具も展示される。
「旧赤羽台団地」の建物も残されている。上から見ると特徴的なY字型をした「スターハウス」は、3棟(スターハウス42・43・44)が保存されている。加えて、高度経済成長期の標準的な5階建ての団地「板状階段室型」は、「ラボ41」としてその姿をとどめている。なお、これらの団地は通常、一般公開はされていない。
ミュージアム棟前に広がる芝生の広場では、今後さまざまなワークショップを展開するという。ここに設置されたファニチャーは、彫刻家の流政之によるものだ。
ミュージアム棟は入館料が無料。公式ウェブサイトからの事前予約制で、ガイド付きツアーのみのため注意してほしい。ただし、9月15日(金)から9月18日(月)までは予約なしで入館できる。
日本の暮らしを支えてきた団地。多様な昭和の団地暮らしを体感しに訪れてみよう。
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