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香港、上海、東京に拠点に展開するユニティー・ゼロ(UNITY ZERO)がアジア富裕層向けブランド事業をスタートし、第1号ブランドとなるプレミアムな日本酒『緲(びょう)』をリリースした。世界で限定1098本、シリアルナンバー入りで価格は1本5万5,000円。
新潟県長岡市の蔵元である柏露酒造と提携した純米大吟醸酒で、世界最高ブランド米の『越後 長岡コシヒカリ』を28%にまで磨き上げ、水には南北朝時代の武将が傷を癒やしたとされる、高龍神社の雪解け伏流水を使用している。その味わいはさらりとスムーズでありながら、香味の絶妙なバランスが印象的だ。
ボトルには、重要無形文化財に指定されている肥前びーどろの手吹きガラスを採用。江戸時代末期に高級品として珍重された江戸ガラスの徳利(とっくり)をモチーフに、職人が一つ一つ再現している。ちなみに、「緲」とは「はるかに遠いさま」という意味だ。
財務省貿易統計によると、コロナ禍で打撃を受ける中、2020年度の清酒輸出総額は過去最高となる約241億円を記録した。特に、中国本土や香港など中華圏では高価格帯の日本酒需要が高まっており、香港が初めてアメリカを抜いて首位となった。第2位の中国本土でも、依然として需要は高い。
こうした背景もあってアジア圏の富裕層は、美しい冬景色でも知られる新潟の日本酒に注目してきた。『緲』もそうした需要に応じて、大切な人に高級酒を贈り合うという中国の風習からインスピレーションを受けて誕生したという。事実、高価格にもかかわらず、リリースと同時に完売したというから驚きだ。
ユニティー・ゼロは、1980年生まれ以降のミレニアルズ富裕層をターゲット層としており、この日本酒はいわば世界規模の「ハイエンドな取り寄せ」とでもいったところだろうか。コロナ禍で渡航がままならぬ今、ミレニアルズの審美眼にかなう「究極の越境EC」として、同社は今後もさまざまな日本の伝統美やものづくりをブランディング、世界に発信していくという。今回の完売は残念だが、今後もそのブランド展開から目が離せない。
テキスト:間庭典子
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