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クリームソーダ職人のtsunekawaによる初のフォトエッセー、『旅するクリームソーダ』が発売された。本には、旅先の景色や土地折々の素材からインスピレーションを受けて作られたクリームソーダの写真が収められている。
店を拠点として多くの人に「旅する喫茶」を楽しんでもらえた
tsunekawaはカレー職人の玉置直樹とユニットを組み、全国を旅しながら喫茶店を開く「旅する喫茶」の店主でもある。2021年春には旅の拠点となる実店舗を高円寺にオープンした。店舗についてtsunekawaは次のように語る。
「旅の拠点として開店し、2022年3月で1年がたちます。2年近く活動を続けてきた流れでの開店ということもあり、うれしい声をたくさんいただき、多くの方がご来店をしてくださっています」
「開店当初から変わらず、旅をして生まれたメニューを月に一度『期間限定メニュー』として提供し、それを楽しみに再来店してくださる方も多い印象ですね。出張開店では多くのメニューをご提供することがなかなか難しいですが、拠点ができたことにより『プリン』『夜空のチーズケーキ』『ナポリタン』など、多くの喫茶メニューを楽しんでいただける場所になりました」
実店舗のオープン前も東京で間借りの喫茶店を開いてはいたが、来店してもらえる人数は限られていた。常設の店ができたことで、多くの人に「旅する喫茶」の取り組みを楽しんでもらえるようになったという。店舗では、tsunekawaのクリームソーダと玉置のカレーや、そのほかのメニューも提供されている。
「旅」と「クリームソーダ」に思い出を詰めて
フォトエッセーに登場する「旅先の風景×クリームソーダ」の写真は、鹿児島は桜島の景色をグラスに反映した『桜島のクリームソーダ』や、山梨の『丸ごと桃のクリームソーダ』など、どれもがノスタルジックで美しい。
取り上げた場所はどこも思い出深いが、特に思い入れが強いのは故郷の土地だと、tsunekawaは振り返る。ふるさとで彼が撮ったのは、クリームソーダを手にした祖父の写真だ。
「クリームソーダを通して、旅で見る景色をグラスの中に表現できる面白さを感じて……その美しさを多くの方と共有できるのが魅力ですね。故郷にはコロナ禍でしばらく帰れていないので、おじいちゃんの写真を見返しながらまたクリームソーダを一緒に楽しみたいと思います。読んでくださる方にも、家族や友人と楽しい時間を過ごしていただけたらと思っています」
自分で作れるオリジナルレシピ付き
フォトエッセーには、旅先で作ったクリームソーダのレシピが付いている。写真を眺めるだけでなく、登場するクリームソーダを実際に作ってみれば楽しさは倍増するだろう。レシピを作ってみたい初心者へのアドバイスをもらった。
「まずは単純に楽しんで作ることです。最初からきれいに作ろうとせず、単純にこの味が飲みたい!と始めてみるのもいいのかなと。最初から見た目も完璧なものを作ろうとしてしまうと、作品としてどこまでクオリティーを高められるか、精神をすり減らして作り上げるものになってしまう。そこで挫折して、つまらない気持ちにはなってほしくはないです」
土地の空気をグラスにギュッと詰め込んだクリームソーダの写真は、見ているだけで旅に出た気持ちになれる。tsunekawaにフォトエッセーへの思いを聞くと、こう返ってきた。
「クリームソーダは世代や性別を超えて、さまざまな方と楽しむことができる飲み物だと確信しています。多くの方に届いて、その広がりがまたさらに多くの方との出会いにつながることを願っています」
フォトエッセーは単行本が1,496円、Kindle版は1,346円で販売している。購入者にはスマートフォン用待受画像の特典、初回限定版はオリジナルポストカード付きだ。写真に癒やされ、実際に作って味わい、もうしばらく続きそうなコロナ禍の「おうち時間」を充実させよう。
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