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カンタス航空の社長、海外旅行にワクチンパスポートは必要

BBCとのインタビューで示唆

Maxim Boon
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Maxim Boon
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Photo: Suhyeon Choi / Unsplash
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いつかまた、海外旅行に行きたいと思っているだろうか。その準備をそろそろ始めてもいい頃かもしれない。オーストラリアのフラッグキャリア、カンタス航空の社長であるアラン・ジョイスは、海外旅行は新型コロナウイルスの予防接種を受けた人だけが行けるようになるだろうと認めており、「ワクチンパスポート」が新しい常識になる日も近いと示唆しているからだ。

ジョイスは、2021年3月21日に行われたBBCとのインタビューで、海外旅行時にワクチン接種証明の提出を「各国政府が要求するようになる」と述べ、ワクチン接種が世界的に通用する「入国条件」になることについて、政府レベルの話し合いが進行中であることを把握していると付け加えた。

また彼は、ワクチン接種証明が海外旅行時の法的要件にならなくても、カンタス航空を含む多くの航空会社が自社の取り組みとして、ワクチン接種を航空券購入時の一部条件にできると指摘。その理由について次のように語っている。「私たちには、乗客や乗務員に対する注意義務があり、航空機内の全員が安全でなければならないのです」

ジョイスによると、カンタス航空が行った調査では、調査対象者の90%以上が海外旅行の条件としてワクチン接種が設定されることを受け入れる用意がある、と答えたという。

しかしジョイスは、オーストラリアについては政府がウイルスのまん延を抑えるためにこれまで設定してきた高いハードルが、国境再開に対する世論を左右するかもしれないとも述べている。「国境開放となれば、ウイルスは流通します。それを受け入れることは、多くのオーストラリア人にとって大きな変化です。我々は、ウイルスのリスクをゼロにすることはできないことを理解する必要があるでしょう

旅行業界は新型コロナウイルスの脅威により、最も大きな打撃を受けた産業の一つだ。世界的に見ても、2020年の航空旅客数は年平均で75.6%減少。中には90%以上の減少を記録した月もあった。2020年3月に海外旅行がほぼ停止して以来、航空業界は2兆3,000億ドル(約250兆円)以上の収入を失ったという試算もある。旅行経済と観光経済の再活性化は、世界中の経済復興計画の主要な焦点であり、またワクチン接種プログラムの展開とも密接に関連している。

航空会社や政府はワクチンパスポート導入しようとしているが、世界保健機関(WHO)は「ワクチンパスポートを海外旅行の条件とすることには同意できない」との考えを示唆。その上で、民間企業がどのように導入するにせよ、ワクチンパスポートを海外旅行の条件に含むのであれば、政府レベルでの対応が必要になる可能性が高いと付け加えている。

原文はこちら

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