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「虎ノ門ヒルズ グラスロック」が開業、知的好奇心と感性を刺激する商業空間へ

創造性を引き出す書店や「うちゅうブルーイング」首都圏初の常設店をレポート

テキスト
Kosuke Hori
Editorial Assistant
虎ノ門ヒルズ グラスロック
画像提供:森ビル株式会社 | 虎ノ門ヒルズ「グラスロック」の施設俯瞰図
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2023年10月に森ビル創業の地である虎ノ門に開業した「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が「虎ノ門ヒルズ グラスロック」の竣工により、完結を迎える。「虎ノ門ヒルズ 森タワー」とステーションタワーを結ぶ歩行者デッキ「T-デッキ」が2階部分で貫通した特徴的な建物のデザインは、オランダ・ロッテルダムなどに拠点を構える、建築設計事務所で都市計画コンサルタントのOMAが担当した。

2025年4月9日(水)には、「丸善ジュンク堂書店」の新業態やクラフトビール愛好家でハマる人が続出する山梨発の注目ブルワリー「うちゅうブルーイング(Uchu Brewing)」の首都圏初となる常設店など、好奇心をかき立てる個性豊かなヴェニューが5店舗オープンする。ここでは、いくつかの店舗の見どころをピックアップして紹介する。

集中と緩和と刺激で知的活動を沸騰させる。

マグマブックス
Photo: Kosuke Hori「知の森(FOREST of Knowledge)」

丸善ジュンク堂書店が、「知は熱いうちに打て」をコンセプトとした新業態の書店「マグマブックス(magmabooks)」を展開。同店は、2・3階の2フロアで構成される。

2階の書架は「知の森(FOREST of Knowledge)」と名付けられ、ビジネスや児童書などのジャンルではなく、過去・現在・未来の3パートのテーマに分けて選書。例えば、「どの道を行く?FUTURE」という大きなテーマの書棚には「科学技術で未来を作る」という中テーマの書架があり、さらに「AIは夢を見るのか?」といった細かなカテゴリに分かれて本がセレクトされている。その時々に興味のあるトピックから、直感的に選べるのが魅力だ。

また、同フロアには「問い散歩」という、質問が書かれた用紙を24個用意。「問い」をめくって裏を見ると、呼応する内容の本が3冊ずつピックアップされている。本は、「知の森」の中に隠されているので「問い」を片手に散策してみよう。

マグマブックス
Photo: Kosuke Hori24の「問い」が用意され、その答えとなる3冊の本がそれぞれセレクトされている

3階は、通常の書店と同じくジャンルごとにセレクトされた棚が広がるとともに、有料(1時間1,800円から、以下全て税込み)のラウンジスペースを設置。六角形のハニカム構造の半個室空間や、書棚の間に現れる個室空間から成る没入するゾーン「FOCUS」では、BPMの早めな四つ打ちがかかっていて、集中力を高めてくれそうだ。

マグマブックス
Photo: Kosuke Hori六角形のハニカム構造の半個室空間

そして、集中を緩和するゾーン「CALM」も設置。薄暗い部屋の中央にはライトアップされたオブジェが置かれ、雫が落ちる自然の音を循環させた「サウンドピオトープ・システム」によるアンビエントな音色に包まれていた。座椅子に座り、ゆったりと過ごせば誰もがリフレッシュできるだろう。集中と緩和を繰り返すことで、まるでサウナに入るような「ととのい」状態に仕上がるかもしれない。

マグマブックス
Photo: Kosuke Hori集中を緩和するゾーン「CALM」

スムージーのようなサワーエールで乾杯する。

うちゅうブルーイング
Photo: Kosuke Hori「宇宙IPA」(左)とオープン限定醸造の「オーロラータイガー(AURORA TIGER)」

山梨県北杜市に醸造所を構え、ホップの栽培から手がける「うちゅうブルーイング」の、首都圏初の常設店「うちゅうブルーイング 虎ノ門」が、同施設2階に登場。フルーティーで爽やかな味わいのシグネチャービール「宇宙IPA」を含んだ、常時6種類のタップを用意する。ビールのラインアップは早ければ1週間ほどで入れ替わるものもあり、一期一会の出合いが楽しめるという。

うちゅうブルーイング
画像提供:森ビル株式会社「うちゅうブルーイング 虎ノ門」

同店のオープンを記念して醸造されたのは、「オーロラタイガー(AURORA TIGER)」(250ミリリットル、1,500円)。イチゴやラズベリー、ブルーベリーが使用されたスムージーのようなサワーエールで、ビールが苦手な人でも楽しめるだろう。

そのほか、直営店限定で販売しているグアバとパッションフルーツを使用したノンアルコールジュース「UCHU NECTAR」をはじめ、缶ビールも取り揃える。デザイン性の高い缶ビールもタップと同じく、時期によって内容が入れ替わるそうだ。

うちゅうブルーイング
Photo: Kosuke Horiノンアルコールジュース「UCHU NECTAR」

同じフロアで生まれるグルーヴを楽しむ。

1階には、「タリーズコーヒー(TULLY'S COFFEE)」による、「新しい紅茶体験」が楽しめるコンセプトショップ「タリーズコーヒー & ティー(TULLY'S COFFEE &TEA)」の旗艦店「タリーズコーヒー & ティー 虎ノ門ヒルズ店」が誕生。マグマブックスとコラボレーションした、懐かしい名作の一文がフォームミルクに描かれている「文豪ロイヤルミルクティー」「文豪ラテ」(それぞれトールのみ、680円)などがラインアップする。

銀座店に続く国内2号店となるチョコレートブランド「ブノワ・ニアン(BENOIT NIHANT)虎ノ門ヒルズ店」で、同店限定の新商品として、カメを模した「トルチュ ノワール」「トルチュ オ レ」(各400円)や、フィナンシェのプレーン(340円)、ショコラ(370円)などが登場する。

ブノワ・ニアン
Photo: Kosuke Hori「フィナンシェ プレーン」(左)と「フィナンシェ ショコラ」

また、世界でも珍しいバラの専門店「ローズギャラリー(ROSE GALLERY)」とタリーズコーヒー & ティーとブノワ・ニアンの3店舗がコラボレーションし、こだわりの詰まったアイテムを集めたギフトセットは、ここでしか買えない特別な逸品だ。

3店舗のアイテムを集めたギフトセット
Photo: Kosuke Hori3店舗のアイテムを集めたギフトセット

さらに、3店舗によるワークショップをはじめ、季節に合わせたイベントなどが企画されているとのこと。同フロアの3店舗の協働により紡がれるグルーヴに今後も注目したい。

虎ノ門ヒルズ グラスロックはきっと、虎ノ門エリアに新たなにぎわいを生み出すことだろう。同施設に足を運ぶのはもちろん、すでにオープンしている森タワーやステーションタワーにも立ち寄ってみてほしい。

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