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ラーメン天国、日本。これだけ数多くのラーメン屋があるのだから、ミシュランの星を獲得している店も珍しくはないだろう、と考えるのは当然だ。だが意外なことに、これは事実ではない。なんと2016年まで、この権威ある星を持つラーメン屋は存在しなかったのである。
この栄誉を世界で初めて手にしたラーメン屋は、東京の「ジャパニーズ ソバ ヌードル 蔦」である(ただし残念ながら、後に星を手放すこととなった)。続いて、「鳴龍」が2017年、「ソバハウス 金色不如帰(こんじきほととぎす)」が2019年に星を獲得。2019年にオープンした「銀座 八五」は、2020年にピルグルマンに選出されると、その翌年には星を獲得し、2年連続で一つ星をキープしている。
以上3軒は2022年、2023年と続けて星を獲得。いずれも伝統的な味に対して、独自の解釈を提案している。予算を抑えてミシュラン星付きの食事を楽しみたいならば、迷わず訪れてほしい名店だ。
銀座 八五
ミシュランの新星、「銀座八五」。ここで腕を振るう料理人はフレンチ出身で、一度食べてみればそのことに納得がいくだろう。
スープは、軽やかさと芳醇(ほうじゅん)さが見事な調和を奏で、コンソメをほうふつとさせる味わい。名古屋コーチン、カモ、ホタテ、ドライトマト、シイタケ、コンブ、ネギ、そしてなんと生ハムを使用して出汁(だし)をとっている。具材はメンマ、九条ネギ、チャーシューで、仕上げにはフランス産岩塩とコショウを振りかける。
ラーメンをモダンに再解釈したこの一品。その極上の味には舌を巻くしかない。
ソバハウス 金色不如帰
新宿のラーメン専門店「ソバハウス 金色不如帰」。同店の看板メニューは、肉系スープ、和風出汁、ハマグリスープの3種を合わせたスープが特徴の「そば(醤油)」だ。自家製のモリーユ茸のソースも加えられている。
だが、おすすめしたいのは「塩そば」だ。モンゴル岩塩と沖縄海塩をブレンドすることで、魚介系出汁の甘味が引き出している。仕上げにはイタリア産白トリュフオイル、ポルチーニソース、パンチェッタハム、少量のインカベリーソースが加えられる。器に残る最後の一滴まで、飲み干さずにはいられない。
鳴龍
大塚にある「鳴龍」では、スタンダードな塩ラーメンや醤油ラーメンも提供しているが、人気は特製の坦々麺だ。もともとは中国の四川省で発祥した料理である坦々麺を再解釈し、さっぱりしているのに味わい深い一品へと昇華させている。
スープは唐辛子のしっかりとした辛みに、ゴマのまったりとした味わいが相まって、食欲をそそられる。 エビワンタン、チャーシュー、水餃子などのサイドメニューも用意する。
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