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「東京×アジアの夜市」をコンセプトとした「東京ナイトマーケット」の第2回が、代々木公園で2024年5月26日(日)まで開催。2023年10月に開催された初回は、延べ6万5000人もの来場者数を記録した。
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今回も、昨年同様22時まで開催。ライブやアート展示、今回から始まった大道芸人によるパフォーマンスなどが楽しめるほか、渋谷や下北沢を盛り上げているDJブースもアジアの夜市さながらの活況を呈している。もちろん、タイや台湾、ベトナムのように魅力的な屋台が軒を連ねているのも見逃せない。
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「ライン キューブ シブヤ」側の入り口にはロゴをかたどったネオンサインのゲートが設置され、一歩足を踏み入れると渋谷の喧騒(けんそう)を少し離れながらも、活気あふれる空間が広がっている。
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神南にある注目のギャラリー「澁谷藝術」が運営するギャラリースペースは前回より増えて、3ブースで構成。フラワーアーティストの新里卓士の作品とともに、美容師で画家の美留町kuuの絵画が展示されている。
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中央は、大原海輝(ein)とRana Saito、Nana Moriwakiの3人によるブースで、アーティストの部屋やアトリエを再現。ライブペインティングも行っており、期間中に頼めば服にペイントを施してくれるという。
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3つ目のブースでは、2024年4月に立ち上がった「東亰演劇俱樂部」が見せ物小屋を設置。イベント期間中の毎時30分から、即興で演劇か音楽のパフォーマンスを日替わりで行う。見せ物小屋をのぞいている観客たちも作品の一部になるというのがコンセプトだ。初日は、「ゴミを分別したい人、したくない人」という題で、舞台は「ハチ公前」という設定で寸劇が始まっていた。
アーティストやDJによる名演を楽しむ
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ケヤキ並木を中程まで進むと、DJブースが出現。渋谷「Shibuya 7th FLOOR」と「ルビールーム(Ruby Room)」が当日は出店していた。2日目以降も「頭バー」「UNDER DEER LOUNGE」をはじめ、渋谷や下北沢のミュージックヴェニューがキュレーションする。国籍や年齢を問わず踊る光景は、祝祭感があった。
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会場の奥のステージでは、アーティストによるライブが楽しめる。取材時は惜しくも芸人のトニーフランクによるパフォーマンスには間に合わなかったが、バンド・民謡クルセイダーズのボーカルを務めるフレディ塚本と津軽三味線の秋山和久、太鼓・はやしのちゃんゆか、篠笛のミカド香奈子4人から成る「民謡ユニット こでらんに〜」は、まさに日本の祭りといった様相を呈していた。
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振り付けのレクチャーもあり、東京音頭では会場からひときわ大きな歓声が沸いた。最後は炭坑節で、終盤にかけて徐々にBPMを上げていくことでさらに盛り上がり、曲ごとに増えていった盆踊りの輪が一層増えていたのが印象に残っている。
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初日のトリを務めたのは、沖縄出身のバンド・かりゆし58のボーカルの前川真悟。バイオリンとブルースハープを加えた3人編成で、「母にささげる」というMCから始まった代表曲「アンマー」では、ストレートな歌声とレゲエのようなギターの裏打ちのストロークに、観客はゆったりと揺れる。最後の曲は「オワリはじまり」で、イベントの終盤に向かう会場を優しく包み込んでいた。
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ライブが終わると東京都公認ヘブンアーティストである、熱血大道芸人 ドラマチック・ガマンによるパフォーマンスがすぐ横で行われた。ジャグリングやディアボロ(中国コマ)で、観客を巻き込みながら和やかに進行。立ち止まって見とれる人が増えていき、大団円を迎えた。
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会場では、「宇田川カオマンガイ」や、中華料理店「ブルー ザ スリー(BLUE THE THREE)」、「ティー ワイ ハーバー(T. Y. HARBOR)」によるクラフトビールバー「エル カミオン(EL CAMION)」など、魅力的な飲食店によるブースや、雑貨、服をはじめとする物販ブースも設置。渋谷のスナック「クローゼット(The Closet)」が設置したカラオケブースは常ににぎわっていた。
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ここまで大規模なナイトマーケットが、代々木公園という都心で行われているのは圧巻の一言に尽きる。毎週末開催すればいいのにと率直に思ってしまうほど、多幸感あふれる空間だった。自分のペースで自由に楽しめるのも大きな魅力だろう。
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25日(土)の宇田川別館バンドや、実力派ジャズバンド・BLOODEST SAXOPHONEのトリオ編成「ブラサキ3」、26日(日)にライブの大トリを務める日食なつこをはじめ、まだまだ見どころが盛りだくさんだ。5月の風に吹かれながら、さまざまなコンテンツが堪能できるナイトマーケットに、ぜひ足を運んでみてほしい。
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