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2025年は名作映画のリバイバル上映が熱い。まぁ23年も24年も熱かったし、26年も27年もそうなるのだろうが、とにかく熱いのである。
昨年末に急逝した中山美穂主演の傑作恋愛映画『Love Letter』の4Kリマスターや、当時は物議を醸し国会さえ巻き込む騒動となった問題作『バトル・ロワイアル』の25周年記念上映など、このタイミングを逃したら次はいつ劇場で観られるか分からない話題作がめじろ押しだ。
サブスクリプションが普及し、過去の名作映画はいつでもどこでも観られるようになって久しいが、大スクリーンで映画と対峙することの価値は決して損なわれることがない。
本稿では3~4月にかけてリバイバル上映される映画の中から、推薦作を紹介する。
リンチの不条理映画『マルホランド・ドライブ』

2025年1月に急逝したカルトの帝王、デヴィッド・リンチの最高傑作とも名高いジャンル不可分の映画『マルホランド・ドライブ』4Kレストア版が上映中だ。
生涯にわたり「美しい悪夢」というべき壊乱の美を描き続けたリンチのフィルモグラフィーの中で最も難解とされるが、ジャズミュージシャンで作家の菊地成孔は本作を「統合失調者の世界をVRで追体験するシンプルな作品」と評している。
いずれにせよ覚醒しながら観る悪夢である本作を、大スクリーンで、より美麗な映像で鑑賞することは、映画体験として強烈極まりないものになるだろう。
「シアターギルド代官山」で3月22日(土)から上映。
ロマンチックコメディーの傑作『ノッティングヒルの恋人』

さえない書店主とハリウッドスターの恋を描いた、1990年代を代表するロマンチックコメディーの傑作。当時人気絶頂にあったヒュー・グラントとジュリア・ロバーツの演技がチャーミング極まりなく、矢継ぎ早に繰り出されるおとぎ話レベルのコテコテなロマンス展開には悶絶(もんぜつ)必死だ。
『ブリジッド・ジョーンズ』や『アバウト・タイム』など、ロマコメの名手として知られるリチャード・カーティスの小粋な脚本はさえ渡っており、超王道ロマンスに華を添えるエルヴィス・コステロによる主題歌も話題となった。
「キネカ大森」「新宿ピカデリー」ほか、全国31館で3月28日(金)から1週間限定上映。
岩井俊二の名作『Love Letter』

岩井俊二の長編デビュー作にして、故・中山美穂が主演を務めた恋愛映画が、劇場公開30周年を記念して4Kリマスターで上映。女性2人の不思議な文通を巡るリリカルなアンビエントラブロマンスで、中山が一人二役を演じたことでも有名だが、豊川悦司や柏原崇などの豪華キャストも見逃せない。
2025年1月のリバイバル上映では動員数10万人を記録するなど、今なお色あせることない不朽の名作である。
「テアトル新宿」「TOHOシネマズ池袋」ほかにて、4月4日(金)から上映する。
公開25周年記念上映『バトル・ロワイアル』

中学生が無人島で殺し合うというショッキングな内容で物議を醸し、国会を巻き込む大騒動にまで発展した衝撃の問題作が、公開25周年を記念しリバイバル上映する。
暴力映画の巨匠・深作欣二の実質的遺作で、もはや一大ジャンルとなった「デスゲーム」ものの草分けである。本作は、クエンティン・タランティーノにも多大な影響を与えた。藤原竜也や柴咲コウ、栗山千明、ビートたけしといった、今では考えられない超豪華キャストも見どころだ。
「新宿ピカデリー」「池袋HUMAXシネマズ」ほか全国75館にて、4月4日(金)から2週間限定上映する。
ゼロ年代青春映画『ピンポン』

松本大洋の傑作漫画を実写化し、社会現象レベルの大ヒットとなったゼロ年代青春映画の金字塔が特
スピード感あふれるラリーを見事に実現したCGクオリティーや、大胆にハサミを入れつつも原作の持ち味を生かす宮藤官九郎の脚本のうまさ、サウンドトラックの素晴らしさなど、見るべき点は無数にある。
上映にあわせて、制作関係者によるトークショーや、撮影に使用した小道具などの展示も実施予定だ。
「アップリンク吉祥寺」で4月11日(金)から上映。
なお、劇場により上映日・上映期間が異なる場合もあるので、公式ウェブサイトを確認してから訪れてほしい。
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