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クライン ダイサム アーキテクツ(KDa)がデザインを手がけたホテル、トグルホテル水道橋(toggle hotel suidobashi)が、2021年4月1日、水道橋駅近くに開業した。
ホテルが建つのは首都高速に中央線、そして神田川に囲まれた、なんとも東京らしい立地。このロケーションから、アーバンな雰囲気が感じられつつも、デザインをはじめシステムや考え方などには新しさと柔軟さが光る、面白いコンセプトホテルだ。ここでは、そんなトグルホテル水道橋の魅力を5つの切り口で紹介する。
写真を撮りまくりたい! どれもかわいいバイカラーな部屋たち
トグルホテルで一番印象的なのは、やはりこのバイカラーな部屋。ピンクとグレー、グリーンとライトベージュなど、色の組み合わせは違えど、全室、オンとオフのカラーを組み合わせたデザインになっている。
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クライン ダイサム アーキテクツ代表で建築家のアストリッド・クラインは、「日常で色を体験する機会はあまりありませんが、カラーは私たちに感情の変化を与えてくれます。だからカラフルにしたかったのです」とコメント。フロントではルームカラーに合わせたTシャツも販売されているので、それぞれの部屋と同じカラーのTシャツを着て、思い切りカラフルに写真撮影をしてみるのもいいだろう。
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目指すは黄色とグレーの建物
もちろん、目を引く外観もバイカラーのデザインだ。窓やカーテンといった細かい部分の色味にまで配慮し、窓が沈んで見えるように(どこに部屋があるかというのが分からないように)設計。黄色とグレーのラインが強調されるように意識をしたという。
ちなみに、色見本帳などで有名なパントン(Pantone)社が2021年の『カラー・オブ・ザ・イヤー』で発表したのも黄色とグレーの組み合わせ。トグルホテルの外観にこの2つのカラーを用いたのは偶然だったが、ビル群が立ち並ぶ味気のない風景に明るさを与えたのは確かだ。パントンの公式ウェブサイトには、「このカラーコンビネーションは我々に希望を与えてくれる」というコメントが掲載されているが、これはまさにトグルホテルにも通ずることだと言えるだろう。
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環境に配慮した取り組み
同ホテルでは、積極的にエコな取り組みも実施している。例えば、ほとんどのホテルの客室に設置されているアメニティー。本当は、アメニティー自体の提供を廃止したかったそうだが、実現がなかなか難しく、必要最小限のものを置くようにした。
アメニティーの歯ブラシは、食用に適さない古米や砕米(くだけまい)を約35%配合したものを採用。また、ペットボトルの水も提供せず、9階ラウンジに設置されたウォーターサーバーの利用を促すことで、できる限りプラスチックの使用も削減している。
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車好きにはたまらない、スピード感あふれる501号室
どの部屋も魅力あふれる空間だが、車好き、電車好きは501号室に宿泊してみよう。ここは、首都高速を走る車を、運転手と目が合ってしまうのではないかという距離感で見られるユニークな部屋。ぐっすり眠れるのか?と言われると個人差がありそうだが、中央線や総武線を見ることもできるので、車や電車好きにとってこれ以上の部屋はないだろう。
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フレンドリーな料金システム
料金システムのフレンドリーさも、トグルホテルの魅力の一つだ。どの部屋も部屋料金で宿泊することができるので、例えば、1部屋2万円のところに定員の4人で泊まる場合、1人当たり5,000円で宿泊可能。この料金システムは、旅行者の強い味方となるだろう。なお、同ホテルは全館キャッシュレス決済(クレジットカード、電子マネー、一部のQRコード)となっている。現金は使用できないので、訪れる際は注意してほしい。
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新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたら、1階のスペースにフードトラックを配置し、人が集まれる空間作りもしていきたいとのこと。さらににぎわうトグルホテル水道橋を楽しみにしたい。
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