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自由の女神はニューヨークのエリス島で135年もの間、堂々とそびえ立ってきたが、アーティストのザック・ランズバーグによると、彼女は休息の時を迎えているようだ。
ランズバーグはニューヨークのモーニングサイド・パークの草むらに、横たわる自由の女神像を設置した。全長25フィート(約7.5メートル)の女神は、冠をかぶった頭を手で支え、穏やかにも苦しそうにも見える顔をしている。正直、理解できる。きっと、彼女は今のニューヨーカーと同じ気持ちでこのポーズをとっているのだろう。
『Reclining Liberty(くつろいでいるリバティー)』と題されたこの像は、モーニングサイド・パークや地域の関連団体、市や州の文化局などの協力を得て設置されたもの。
ランズバーグによると、銅の塗料と酸化剤を使って本物の自由の女神像に似せて仕上げられたこの彫刻は、アジアにある巨大な涅槃(ねはん)仏のポーズをとっているとのこと。彼は2つのシンボルを融合させることで、あることを再考させるきっかけを与えている。それは、この1年に多くの人が抱いていたであろう、自由の女神は何を表しているのかという問いだ。
この問いについてランズバーグはこう説明している。「アメリカという国は永遠にまっすぐ高く立っているような存在なのか、やがて衰退していく存在なのか、それともこの国にはそうした概念を完全に超越した別のステージがあるのか。2020年に起きた全ての出来事、そしてアメリカのほとんどが崩壊を経験した後、この問いは現実味を帯びたものになっていると思います」
ただこのパブリックアートは、基本的にはカジュアルに楽しめるもの。女神と一緒にポーズをとったり、像に座ることも可能だ。マーカス・ガーベイ・パーク・アライアンスの代表であるコニー・リーは、この自由の女神は「気軽に見られるもの」と語っている。
『Reclining Liberty』がある場所は、120丁目とモーニングサイド・アベニューの近くの丘。設置は2022年4月までの予定だ。
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