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新しい都市へ旅行する際、滞在日数がよほど長くない限り、どこからスタートすればいいのか少し迷うものだろう。そこでタイムアウトの出番だ。
我々は毎年、「世界で最もクールな街」を選び、ランキングを発表している。今年も世界中の旅行ライターと編集者のネットワークに呼びかけ、食べ物や飲み物、芸術や文化、ストリートライフ、コミュニティ意識などの住みやすさの指標に基づいて、それぞれの都市の中で最も活気がありにぎやかで、楽しい街について意見を求めた。
2024年のリストには、ブダペストの歴史的な宮殿地区からシンガポールの繁華街であるオーチャードまで、38の異なる地区が選ばれている。東京からは「学芸大学」が第15位にランクイン。東京で今、最もクールなネイバーフッドエリアであり、そして世界で最もエキサイティングな地域の一つとして浮上した。
正確に言うと学芸大学は実際の地区名ではなく、正式には目黒区鷹番として知られるエリアに停車する東急東横線の駅名だ。かつて大学街だったこのエリアの魅力は、同じ東横線でわずか数駅のところにある自由が丘や中目黒の影に隠れていて、それほど目立たっていない。
前述の2つ地区には大勢の人が集まるが、クールな若者やクリエーターたちは、学芸大学の過度に商業的過ぎず、落ち着いた雰囲気をたたえたこの街の良さを知っている。ここでは、家族経営の食料品店や銭湯といった昔ながらの施設と、クリエーティブなレストラン、カフェ、バーと共存しているのも大きな魅力の一つだ。
学芸大学で、タイムアウト東京英語編集部のお気に入りのスポットは、おいしいコーヒーの「WR」 、ふわふわのドーナツの「ヒグマドーナツ」、完璧な歯ごたえのうどんの「讃岐饂飩 恩家」、たい焼きの「目黒ひいらぎ」、炭火で焼いた焼き鳥店「焼鳥やおや ハナレ」、日本のクラフトビールの「アナザーエイトコーナー」などだ。
しかし、最近は「ガクダイ パーク ストリート(GAKUDAI PARK STREET)」として高架下がリニューアルするなど、毎月のように刺激的な新しいベンチャーが出現している。ほかの人々が追いつく前に、この街をチェックしてみる価値はあるだろう。
「世界で最もクールな街 2024」第1位はマルセイユのノートル・ダム・デュ・モント
また、ランキング上位に入った街も際立った魅力を秘めたエリアばかり。ここからは、今年のトップ3を見てみよう。
2024年の「世界で最もクールな街」となったのはフランスの都市、マルセイユのノートル・ダム・デュ・モント。同市6区にある反骨精神にあふれクリエーティブでリラックスしたこの場所は、かつては芸術家の街として知られた。今でもその名残は、多くのギャラリーや壁画に見られる。
タイムアウトマルセイユのライター、アリシア・ドリーはこの街について次のように語っている。
「ノートル・ダム・デュ・モントとは教会にちなんで命名されましたが、決して神聖な場所ではありません。この街はカラフルな袋小路、落書きだらけの路地、プラタナスの並木道、ジュリアン広場から続く曲がりくねった階段などが合わさり出来上がっています」
「地下鉄駅周辺のロディ通りのテラスで日向ぼっこをするのはパンクスや彼らの犬、カラフルなローブを着た女性、アルコール度数の強いビールをゆっくりと楽しむ年季の入った海の男など、さまざまな人たち。パリや新しく海外からやってきた人たちが、彼らとの交流している様子も見られます」
また、ノートル・ダム・デュ・モントだけではなく、マルセイユ全体も間違いなく今世界で最も「クール」といえる。その証拠に、同市にはこの夏、多くの人々が集まった。
続いて2位になったのは、モロッコ・カサブランカのコンクリートジャングル、メルス・スルタン。3位はバリ島のペレレナンだった。この街は、島ののんびりとした雰囲気を象徴するような場所で、セレクトのいいショップや居心地の良いカフェがあることで知られている。
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