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アメリカのミュージシャン、ジャック・ホワイト(ザ・ホワイト・ストライプス、ザ・ラカンターズ、ザ・デッド・ウェザーなどのメンバー)は、ギターをアンプにつなげたり、エフェクター用に予備の9V電池をいくつか用意しておくこと以外にも、たくさんのことをしてきた。
ほかのアーティストの作品をプロデュースし、アメリカ議会図書館の録音物保存財団で理事職にも従事。同時に彼は、Third Man Upholsteryという屋号を持つプロの家具修復師でもあり、1940年代の録音ブースを再現したこともある。さらには、Third Man Recordsというレコードレーベルを運営し、アメリカのデトロイトとナッシュビルに同名のレコードショップを開いている。
そしてホワイトは2021年9月25日、ついにロンドンにもレコードショップをオープンした。その名はもちろん、Third Man Recordsだ(彼はクリエーティブな男なのに、ネーミングの元ネタが分かりやす過ぎる気もする。もちろん映画『The Third Man(邦題:第三の男)』自体は素晴らしい)。
ホワイトがThird Man Recordsロンドン店の出店先に選んだのは、古くから音楽出版業や音楽小売業の中心地であるソーホーのマーシャル・ストリート。この店はホワイトのトレードマークともいえる、変わったフォーマットのレコードを販売するショップと、ライブスペース、そして「レコードレーベルの本部」の機能を持つ。つまり、何でもありな場所である。
映画『チャーリーとチョコレート工場』に出てくるウィリー・ウォンカのような存在であり続けているホワイトがやっていることは、「TikTokで使われるような曲」といったことが重視される今の音楽業界の一般的なスキームからするとニッチに見えるかもしれない。しかし、彼は自分の仕事に情熱を注いでいる。その成果が、このロンドンの中心部にオープンした実店舗のレコードショップなのだ。これはグッドニュースとしか言いようがない。
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