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旅行費は、それ以外のさまざまな費用と同様に上昇の一途をたどっている。もちろん、格安航空券をいち早く予約することも、Airbnbを隅々まで探して割安な物件を見つけることもできるが、予算を抑えようとすると時間と労力を要することが多い。
それに加えて、旅行者が支払うべきものとしてますます一般化しつつあるのが、観光税。当然ながら、新たな出費が加わるという知らせは頭痛のタネだ。だが、その目的は正当なものである。
パリでは観光税の値上げが予定されている。この税の課税対象者は、旅行者向け住宅、ホテル、テントやキャラバンなどのアウトドア施設に宿泊する人。税額は、宿泊施設のタイプや所在地に応じて定められており、現行制度では1泊当たり0.25〜5ユーロ(約40〜790円)だ。
2024年から適用される予定の案では、現行の金額に、最大200%が上乗せされることとなっている。例えば、5つ星ホテルのダブルルームでは、約11ユーロ(約1,740円)の支払いが課せられる可能性がある。増加した税収は、公共交通機関の改善に充てられるという(願わくは、パリで大きな話題となっているトコジラミの駆除にもいくらかの予算を割いてもらいたいものだ)。
アムステルダムでも、2024年から観光税が12.5%に引き上げられる。これにより、平均的な宿泊費である175ユーロ(約2万7,720円)の部屋に宿泊した場合、現行制度下では15.25ユーロ(約2,420円)のところ、21.80ユーロ(約3,450円)を支払うこととなる。
また、クルーズ船に乗って日帰りで同市を訪れる人に対する税も、現行の8ユーロ(約1,270円)から11ユーロ(約1,740円)に引き上げられる。
パリと同様に、税収の増加分は公共の目的に活用されるという。それにより、住民に対する固定資産税と駐車場使用料の値上げを見送り、その経済的負担を軽減するとしている。
アムステルダム市の発表によると、観光税の値上げは「観光客の市への貢献を促す(中略)とともに、オーバーツーリズムへの対策を講じ、アムステルダム市民や[隣接する]ウェースプ市民の経済的負担の増大を防ぐ」ものである。
オランダのニュースを報じるウェブサイト「DutchNews」によると、値上げ後の宿泊税はヨーロッパでは最も高いものとなり、世界では4番目となる。
観光税の値上げ
観光税の値上げは、アムステルダムとパリだけで起きているのではない。ベネチア、アイスランド、バリでも、すでに値上げが発表された。
観光税は、人気の観光地がオーバーツーリズムに対処する方策の一つだ。それ以外にも各地では、来訪を控えるように観光客に呼びかけることから、1日の来訪者数を制限することまで、さまざまな対策が行われている。
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