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旅のインスピレーション源は、ここ数年で大きく変わった。ガイドブックに始まり、その次にはウェブサイトが登場(もちろんタイムアウトもそこに含まれる)。そして今、パンデミック以降に世界を席巻しているソーシャルメディアが、TikTokだ。
Googleの上級副社長であるプラバッカー・ラガバン(Prabhakar Raghavan)のコメントによると、Z世代の40%がTikTokを情報源として活用している。またTikTokの調査によれば、調査対象のユーザーのうち76%が、旅のインスピレーション源になっていると答えた。
では、TikTokユーザーが旅行先として関心を寄せているのはどこだろうか。それを明らかにする調査を、クロアチア最大級のクルーズ会社Cruise Croatiaが実施。2023年3月から7月まで、世界的に有名な135都市の動画の再生回数を集計した。
トップとなったのは、スペイン・カタルーニャ州の州都であるバルセロナで、再生回数は240億回を超えた。
「サグラダ・ファミリア」などのガウディによる一連の建築物、海に面したロケーション、食べ物やナイトライフの充実ぶりで知られていることを思えば、バルセロナの人気は驚くには当たらない。
また、「#barcelonathingstodo」のハッシュタグは、Z世代の間でよく使われている。これも特段目新しいことでもない。なにしろ、「プリマヴェーラ・サウンド(Primavera Sound)」「ソナー(Sónar)」といった音楽フェスティバルや、「サン・フアンの火祭り」などのイベントが毎年行われるのだから。
2位はニューヨーク。TikTokを通じて、実際に住んでいる人からの情報を探すユーザーが多いのだろう。3位はパリ。理由はおそらくファッションウィークで、開催期間中にSNSがその話題で盛り上がるのは、お決まりのことである。
それ以外に、ニューヨークやパリに注目が集まった理由として考えられるのは、両都市を舞台にしたドラマの影響だ。「ゴシップガール」のリブート版や「エミリー、パリへ行く」といったドラマが配信されたことで、Z世代の注目が集まった可能性がある。
全体としてはヨーロッパの諸都市が好調で、トルコのイスタンブールを含めると、上位6位までのうち5つを占めている。「ヨーロピアンスタイルの夏」の流行はまだ続くようだ。
予想外といえるものの注目すべきは、7位に入ったペルーのリマと、8位につけたインドネシアのジャカルタだ。リマは南米の「美食の都」と言われ、ジャカルタは、100以上の島から成るリゾート地へもすぐの街である。
調査結果のランキングと視聴回数(概数)は以下の通り。
1. バルセロナ(スペイン):240億回
2. ニューヨーク(アメリカ):180億回
3. パリ(フランス):160億回
4. ロンドン(イギリス):150億回
5. イスタンブール(トルコ):90億回
6. マドリード(スペイン):90億回
7. リマ(ペルー):70億回
8. ジャカルタ(インドネシア):50億回
9. 東京(日本):40億回
10. シンガポール(シンガポール):40億回
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『These are the hottest travel destinations in 2023, according to TikTok(原文)』
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