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2023年、世界で最も生活費の高い都市はどこ?

英国「Economist Intelligence Unit」が調査結果を発表

Liv Kelly
テキスト:
Liv Kelly
翻訳::
Minami Imai
Zurich
Photograph: Shutterstock
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ありがたくない知らせだ。世界の生活費の動向を調査する「ワールドワイド・コスト・オブ・リビング・インデックス」の2023年版が公開され、世界的なインフレはまだまだ終わりそうにないことが明らかになった。

意外ではないものの、やはり失望を禁じ得ない。今年、生活費は世界平均で7.4%増加しており、中でも食料品や日用品の価格が急激な値上がりを見せている。

とはいえ、悪い点ばかりではない。昨年と比べるとインフレ率は減速している。また昨年最も急激な上昇を示したカテゴリーだった公共料金は、今年は最もインフレ率が低かった。しかし、それで生活費の高騰が帳消しになりはしない。とりわけいくつかの都市は、非常に厳しい状況に直面している。

同調査は英国の定期刊行物「Economist」の調査部門であるEconomist Intelligence Unit(EIU)によるもので、世界の主要173都市を対象としている。200種類余りの製品・サービスにわたり、400以上の商品の価格を比較した。

それによると、世界で最も生活費が高い都市はシンガポールとスイスのチューリッヒだ。後者は前年比で6つ順位を上げた。 チューリッヒの急浮上は、スイスフラン高に加えて、食料品・日用品価格や娯楽費用の高さに起因している。一方シンガポールは、交通費と衣料品のカテゴリーで高価格をマークした。

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Photograph: Shutterstock

昨年シンガポールとともに1位だったニューヨークは3位に後退し、スイスのジュネーブと同率となった。8位にはデンマークのコペンハーゲンとともに、イスラエルのテルアビブがランクインしている。ただし調査の実施時期が軍事衝突の開始以前であることは、念頭に置く必要があるだろう。

トップ10には世界各地の都市が含まれており、生活費の上昇が全世界的な状況であることが映し出されている。南米の都市はランク入りしていないものの、ベネズエラのカラカスは前年比450%という驚くべき高騰ぶりを見せている。

ランキングの全体は以下の通り。

1. チューリッヒ(スイス)、シンガポール
2. ニューヨーク(アメリカ)、ジュネーブ(スイス)
5. 香港(中国)
6. ロサンゼルス(アメリカ)
7. パリ(フランス)
8. テルアビブ(イスラエル)、コペンハーゲン(デンマーク)
10. サンフランシスコ(アメリカ)

なお、日本の東京と大阪は円安が理由でともに順位を下げ、東京は60位(23位下落)、大阪は70位(27位下落)となった。

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These are officially the world’s most expensive cities to live in right now(原文)

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