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トルコ北西部ボル県ムドゥルヌから南に数キロ走ると、実に奇妙な光景に出くわす。華やかな塔を備えたディズニーのような小さな城が、街全体に何百と並んでいるのだ。ただ、人影はなく、道路さえもない。
「ブルジュ アル ババス(Burj Al Babas)」と呼ばれるこの場所は、フランスの城をイメージして作られた、小さな城から成るゴーストタウンである。
なぜ、このような宮殿が空っぽのまま放置されているのだろうか? ブルジュ アル ババスは、2014年に高級不動産プロジェクトとして建設が始まったのだが、自然保護論者や環境保護論者からの苦情ですぐに中止に。さらに、担当した会社は多額の負債を抱え、破産してしまったのだ。そして、新型コロナウイルスが、このプロジェクトに最後のとどめを刺した。
町の構想は、住宅732棟とショッピングセンターを造り、住宅にはそれぞれプールやジャグジー、床暖房などを付けて売りに出すというものであった。そのほか、レストランやスパ、ゴルフ場なども建設が予定されていた。各住居は最高で44万ポンド(542,000ドル)で売れたようだが、現状、建物は全て未完成で、町はまったく景観が保たれていない。つまり、道路さえもないのだ。
宮殿は空っぽなだけでなく、かなり醜い。仮に完成していたとしても、周囲の風景に溶け込まず、非常に奇妙な町並みになったことだろう。 資金難と自然保護活動、パンデミックの影響もあり、建設が再開される可能性は極めて低いと思われる。
そして、ヨーロッパにある奇妙な廃墟はこの町だけではない。
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